第3章 交渉魔術王アーベル
第20話 そして、新たな仲間(?)との旅立ちへ・・・
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ジンクが「せっかくだから、酒場で歓迎会をしよう!」と提案し今にいたる。
ジンクの提案に対して、セレンは俺の後ろに隠れながら俺の袖を引っ張り恥ずかしそうに頷いていた。
「セレンさん。そのしぐさだけで、多くの野郎どもがもだえ死ぬことでしょう!」とジンクは目を輝かせて何度も頷いていた。
ジンク、お前は死なないのか?
まあ、人のことは言えないが。
テルルは酒場で話をするというジンクの提案に対して、「なに勝手なことをいっているのよ」と反論した。
俺がもうすぐ夕方になることと、話をするなら一緒のほうがよいだろうと意見をいうと、
テルルは「しかたないわねえ、アーベルが賛成したからついていくわよ」と機嫌悪そうに承諾した。
しかし、ジンクが「さすがアーベル、テルルさんを説得させるとは」と納得した顔で頷くと、テルルはぶつくさ文句を言っていた。
「私のステータスは、たいしたものではありません。レベル20のあそびにんから転職しただけですから。それでも、隠す必要があるのはロマリア王から使者としての命を受けたからです」
確かにジンクの言うとおりだろう。
「それに、アリアハンとロマリアの使者が一緒に行動しながら、ロマリアの使者がアリアハンの使者に従うのは問題があります」
俺は黙って頷いた。
俺自身は見栄や立場を気にしたことはなかったが、国の外交レベルの問題は個人の認識の問題とは別なのだ。
「それでも、戦闘には一緒に参加しますから、最低限の情報はお伝えします」
ジンクは俺にステータスシートを手渡した。
次のように記載されていた。
ジンク
賢者
おちょうしもの
LV:1
HP:94
MP:80
攻撃力:55
防御力:58
「・・・、今の俺より上だな」
「すぐに追い抜きますよ」
「そうだといいけどな」
俺はため息をついた。
あそびにんだろうがなんだろうが、転職前のレベルは20であった。転職でステータスが半減したからといって、貧弱な魔法使いに比べたら体力はあるだろう。
この4人のなかで3番目に入るだろう。
成長すれば、このパーティのなかで2番手も任せられるはずだ。
まあ、一時的なものであるが。
「よう、イオナズンのジンクではないか」
見知らぬ男が、ジンクに絡んできた。
「今日は王子様と一緒ではないのか」
「見てのとおりだ」
ジンクは微笑を浮かべて男に答える。
「腰巾着なら、王子様のそばにいないとねぇ。それとも、王子様に飽きられたのか」
「好きに想像すればいい」
ジンクは適当に答えていた。
男は、俺にも声をかける。
「よう、あんた。イオナズンのジンクを知っているか?」
「今日初めて会った。ところで、「イオナズンのジンク」とはなんだ?」
「あんた、知らないのか、他の町のもの
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