第3章 交渉魔術王アーベル
第20話 そして、新たな仲間(?)との旅立ちへ・・・
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の書状だけでは、こころもとない。
正式な使者を派遣しなければ、示しがつかないというのだ。
ロマリア王の言葉に、重臣達は理解した。
問題はロマリアの代表として誰を派遣するかである。
俺たちと同様に、冒険者一行が旅をするのだろう。
でなければ、一緒にポルトガへの関所を通過することができないからだ。
「ジンクよ」
「はっ」
ジンクと呼ばれた若者は、重臣達の末席から姿を現し、俺の横まで歩くと、俺と同様に頭を下げる。
ロマリアの重臣達は驚いた様子で周囲とひそひそ話をする。
「ジンクよ、そちをロマリアの使者としてポルトガに派遣する。アーベル達と行動を共にして、交渉を成功させるのだ」
「りょうかいです」
ジンクは大げさに礼をする。
「それでは以上で、会見を終わる」
「おまちください」
重臣の1人が声をあげる。
「なにかな」
「おそれながらもうしあげます。ジンクなどというものを我が国の使者としてつかわすなど、・・・」
ロマリア王は、重臣の声をさえぎる。
「そちは、我が息子とおなじ性格のものに、使者はつとまらないと」
「めっそうもない。ですが」
「それでは、お前達のなかで彼らとともに行動できるものがいるのか?」
ロマリア王は重臣たちを見渡す。
重臣達は貴族を中心とした文官が中心となっており、あまり戦闘経験は積んでいない。
ロマリア王国の貴族は、アリアハンからロマリア王国が独立した時の重臣達に与えられた地位だが、モンスターの襲撃により領土が減ってからは、ほんの一部を除き、文官であった貴族だけが生き残っていた。
残った貴族達は既成権益を守るため、重臣としての地位を守るための技能は磨いたが、戦闘経験を積むことはなかった。
そして、一部の貴族は戦闘能力を持っていたが、近衛兵を束ねる役職に就いており、外国に出ることが出来ない状態だ。
俺は、この情報をロマリアの酒場などで入手していた。
「我々は、政に携わるのが役割であれば、冒険者のようなことはできかねます」
「それに、ジンクも冒険者とはいえ、もともと遊び人であれば」
別の重臣が助け船をだす。
「あやつは、今賢者ではないか、問題はないだろう」
ロマリア王は重臣たちの発言を切り捨てると、席を立ち上がる。
「会見は終わりだ、そなたらの好きな会議があるのでな、失礼する」
ロマリア王は、重臣達に皮肉を込めて話をすると俺に向かって会釈をした。
俺は、再度礼をして王が退席するのを待っていた。
俺が控え室に戻ると、セレンとテルルが心配そうな顔で出迎えた。
「大丈夫でした?」
「上手くいったの?」
「問題ない」
俺は、2人に先ほどの話を説明しようとした。
「問題ないとは、さすがですねアーベルさん」
「これは、賢者のジンクさん」
「呼び
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