第12話 そして、ロマリアへ・・・
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人が「ふつう」と記載されるだけだ」
「ほんとうなの、アーベル!」
「だいたい、職業欄の下に書いてあるだけで、どこにも性格欄とは記載されていないぞ」
「でも、アーベルだって性格と言っていたし」
「俺は、みんながそれで理解できるから、使っているだけだ。「成長タイプ欄」とみんなが言えば、俺も成長タイプ欄と言うさ」
俺は、肩をすくめて答える。
「だいたい、「おおぐらい」は性格か?」
「そうよね」
セレンは、なにか吹っ切れた感じに見えた。
俺は何とか上手くいったと思ったとき、その油断が命取りになることをすっかり忘れていた。
「ねぇ、アーベル?」
セレンの真剣なまなざしに俺は、緊張感を取り戻す。
「なんだい、セレン」
「わたしのこと、どう思っているの?」
いつか、聞かれると思っていた質問だ。
普通というのが成長タイプであれば、自分はどういう性格なのか知りたいはずだ。
きちんと答えることが出来なければ、今までの説明はすべて無駄である。
俺はまず、無難な答えを返す。
「セレンは、セレンだ」
「答えになってないよ〜」
まあ、これでは納得しないよな。
「セクシーギャルという性格があるのだが」
「セクシーギャル!」
セレンは顔が赤くなる。
自分自身の胸を思わず隠すしぐさをする。
「セレンはどちらかといえば、「かわいい」ということになるか」
「えっ?」
俺は、セレンの頭をなでる。
セレンは、うつむいておとなしくなっていた。
「いくぞ、テルルが待ちくたびれている頃だ」
「・・・、まって」
そういってセレンは俺の後に付いてくる。
完璧だ、俺は思っていた。
テルルが、俺たちの後ろでニヤニヤと笑っていることに気がつくまでは。
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