暁 〜小説投稿サイト〜
ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第12話 そして、ロマリアへ・・・
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
1人で商店街へ向かっていた。
セレンはすることがないといって、俺の祖父捜しに付き合ってくれていた。

「すてきな、お屋敷でしたね」
セレンは、祖父の家を思い出して話をしていた。
「そうだったな」

家の中に入ることは出来なかったが、それでも優雅な外観を見ただけで、かつての持ち主が、いかに資産を持っていたか一目でわかる。
だが、俺には関係ない。

もちろん、祖父の資産が使えたら、冒険はもう少し楽になっていたかもしれない。
だが、それだけのことだ。

「アーベルに聞きたいことがあるの」
「なんだい」
「・・・、「ふつう」の性格って、どう思う?」
セレンは、意を決したように質問する。

セレンは自分の性格が、普通の性格と評価されたことを気にしていた。
俺は、そのことを知っていたが、思い詰めるほどの事だとは思っていなかった。
やっかいな問題だと俺は考えた。

ほかの性格であれば、その性格の良い部分を誉めて自信を持たせることができるだろう。
「らんぼうもの」であれば、そもそも悩むこともないだろう。
仮に悩んでいて、今の性格を変えたいと望んでいるようであれば、装備品を持たせればいい話だ。

だが「ふつう」となれば話は別だ。
まず、他の性格のように良い部分を誉めるという手段が使えない。
他の性格のものが、「普通が一番」といっても慰めにはならない。

だからといって、他の性格を簡単に勧めるわけにもいかない。
他の性格と違い、ある意味これまでの生き方を全否定することになるからだ。
「きれもの」や「ぬけめがない」などという評価は、所詮人が持つ性格の一部分でしかない。

他の性格に変わったとしても、全人格を否定することにはならないが、「ふつう」と思われていた人が変わるとなれば、全否定にとられかねない。
だから、別の観点からセレンを納得させる必要がある。

「セレン。ステータスシートに記載されている性格だが、本当は何のためにあるか、知っているかい?」
「たしか、能力の成長に関係するとか」
セレンは養成所の講義内容を思い出していた。

「そう。能力の成長率を数字ではなく言葉で示したものだ」
「!」
セレンは、俺の説明に目を見張った。
「レベルアップしたときに、どの能力がどの程度上昇するかという研究は、養成所でも研究されてきた。
分類すれば、だいたい45種類くらいに分かれるという事が、明らかになった。
もともとは、数字による区分が用いられたが、成長タイプごとにある程度性格が反映しているのではという俗説により、成長タイプと性格が同一視されたのだ」
俺はたたみかけるように解説する。
前の世界のたとえを使えば、血液型と性格との関係性みたいなものか。

「それじゃあ!」
「成長タイプが平均的な
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ