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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第2章 清算
第9話 そして、ナジミの塔へ・・・
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境に一切問題がありません。地下水道も整備されており、清潔な環境が保たれています」
「・・・」
「魔法の結界により、モンスターからの襲撃から守られておりますので、安心してお休みいただけます。冒険者でもないわたしが、平気であることがなによりの証拠です」
「・・・」
「まずは、お部屋をご覧下さい」
俺たちの返事を待たずに、下り階段へと進んでゆく。
俺たちは肩をすくめて、男の後をついて行く。

「ほう」
「結構きれいね」
「すごい。きれいな水が流れているよ」
男の話に、間違いはなかった。

案内された部屋は、質素だが、清潔感が保たれており、アリアハンの宿屋の水準を上回っている。前にいつ客が来たのかわからないが、毎日きちんとベッドメイキングされているのが一目でわかった。

これなら、安心して休めそうだと、俺たちは1泊することにした。
一番の理由は、男の話に聞き疲れたことであったが。
男は、「おお、久しぶりのお客さんだ。うれしいなぁ」などと言って大喜びで夕食の支度を始める。
となれば、まずは食事だ。
かなり運動したので、おなかが減っている。

出された食事もうまかった。
毎週、アリアハンから定期的に届けられるそうだ。
さすがに生ものは無かったが、水道を使った冷蔵庫に保管してある野菜は新鮮であった。また、食材の輸送にかかる経費は王宮が負担しているため、アリアハンの宿屋と同じ料金を保っている。

王は、再び船を手に入れた時、この塔がすぐに使用できるように考えているのだ。


夕食をすますと、俺はテルルに話しかける。
「テルル。話があるのだが?」
「え、何のこと」
「これからの事を相談したいのだ」
俺は、挙動不審な様子を見せるテルルの腕を引っ張って、寝室に連れ込む。

「アーベル。離して!」
「ああ」
俺はそういって、つかんだ腕を放した。
テルルは、部屋に置いてある椅子に座ると、おびえるような様子で俺に声をかける。
「アーベル。わたし、まだ心の準備が」
「・・・。何を勘違いしているか知らないが、話をするだけだ」
「最初はそういって、結局・・・」
「だから、落ち着けテルル」
俺はため息をつくと、心配した顔でテルルに尋ねる。
「お前、朝から変だぞ。いったい何があった?」
「・・・」
「俺たちはパーティだ。だから、なんでも話せとは言わないが、それでもお互いに命を預けあっている」
俺は真剣なまなざしでテルルをみつめる。
「今日の戦闘は装備で助かっているが、そうでなければ全滅していた。テルルもわかっているだろう?」
「・・・」
「俺に聞きたいことがあるのだろう。おそらく、キセノンのおじさんから頼まれたのだろう」
「!」

図星だったらしい。
昨日は問題なかったのに、実家に帰ってから
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