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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第2章 清算
第9話 そして、ナジミの塔へ・・・
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らだ。

「入れないか」
「入れませんか」
「誰かいませんか〜!」
返事がない。いるすのようだ。

俺たちは、老人の研究所を訪ねたが、研究所に侵入することが出来なかった。
やはり原作どおり「とうぞくの鍵」が必要なようだ。
俺は「とうぞくの鍵」が必要な事自体を否定するつもりはない。
なぜなら、「魔法の玉」という危険物に関する情報が盗まれたら、それこそ問題である。

逆に「とうぞくの鍵」程度で進入できるほうが問題ではある。
「とうぞくの鍵」を作ったのが、バコタのような、お金にしか興味のない盗賊で助かったともいえるだろう。
盗賊バコタは既に魔法使いに捕まって投獄されている。
捕まえた魔法使いは、ナジミの塔の最上階で生活している。

俺たちは当初の予定どおり、レーベの村を南下して、ナジミの塔へと繋がる洞窟へ向かう。
洞窟を歩きながら、俺はナジミの塔について、考えていた。

ナジミの塔は、アリアハン大陸の中央に浮かぶ島に立てられた塔である。
かつては灯台の役割を果たしていたが、船が無くなると最低限の人員のみを置いて、塔から撤退した。
その後、モンスターが住みつき今にいたる。

世界が平和になれば、ナジミの塔を中心とした交易都市を造ることを考えていた。
アリアハンと違って港から近いこと。
地下の洞窟を再整備すれば、アリアハンやレーベに荷物を運送できること。
これらのことから、平和になり人口が拡大すれば、必ずこの街は成長する。
キセノン商会にこの話を売り込めば、あとは勝手に開発を進めるに違いない。
キセノンへの手みやげ話を考えながら、ナジミの塔へ続く階段を登っていった。



「いくら倒してもきりがないね」
「本当ね」
「でも、この服のおかげで問題ないね」
セレンの言葉に、俺とテルルはうなずいた。

塔の2階へと続く階段を登ろうとしたとたんに、魔物の群れに襲われた。
倒しても、倒しても、次から次へと現れる。
一瞬魔物に隙が生じたので、俺が2人に目配せをして逃げようとしたのだが、テルルの反応が遅れたため、まわりこまれてしまい、そのままずるずると戦っている。

それでも、夕方までには、モンスターはいなくなり、ようやく一息つくことができた。
おかげで、全員レベル6まで上昇したが。

塔の探索は明日に順延することにして、レーベの村で休もうかと3人で相談していたところで、不意に背後から男が現れた。



「いらっしゃいませ」
振り返ると、40すぎの男が目の前にいた。
「見知らぬ声がしたもので、声をかけさせていただきました」
人と話ができるのがよほど嬉しいのか、テンションが妙に高い。

「この塔の地下で宿屋を営んでおります」
「・・・」
「おおっと。地下といいましても、住環
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