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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第8話 そして、旅立ちへ・・・
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い。
いまでは、表情だけで勇者候補生の答えをほぼ読み取れる。

「一足先に、旅に出るよ」
勇者候補生の顔は少し心配そうな顔をする。
「大丈夫だよ。無理はしないさ」
俺の言葉でも、心配そうな様子は消えない。
「本当に大丈夫だよ。バラモスは残しておくから」
勇者候補生は、驚いた顔をしたが、すぐに笑顔になった。

俺はバラモスを倒さない。
その代わりゾーマは俺が倒すけどな。
「俺は勇者じゃなくて、魔法使いだから」
勇者候補生はうなずく。
「魔法使いといっても、童貞ではないけどな」
勇者候補生は驚く。

しまった。前の世界の冗談を使ってしまった。

確かに、前の世界では童貞ではないが、前の世界の話自体、禁句だった。
この勇者候補生は、このような冗談を他人に話すことはないが、それでも用心しなければならない。誰が聞き耳を立てているかわからない。
「すまん。今のは忘れてくれ」
勇者候補生は、うなずいた。
「帰った時は、みやげものでも買ってきてやるよ」
勇者候補生は、嬉しそうにうなずいた。

「そうだ、もし旅にでたら頼みたいことがある」
俺は勇者候補生にひとつ頼み事をした。

勇者候補生と別れて、セレンとテルルのところに戻ったが2人の様子がおかしい。
「どうしたんだ、2人とも」
「・・・」
「知りません!」
セレンは無言のままだし。
テルルは怒っているようだ。

待たせすぎたのだろうか。それとも、勇者候補生と一緒に話をしたかったのか。
「セレン、テルル。すまなかった」
「え、え?」
「べ、別に謝ってもらっても・・・」
「王宮に行くまでに、あいつとした話しをしようか」
急に2人は、顔を赤くする。
「・・・」
「こんなところで話さないでよ!」
勇者候補生とは、たいした話はしていないが、聴きたくない話を持ち出すこともない。

俺たちは、無言のままで城内にたどり着いた。


「冒険者アーベルよ」
「はっ」
俺は、王の前で片膝をついた姿勢で答える。
「そちに、アリアハンの使者を命じる」
「謹んでお受けします」
「ロマリアとポルトガに行き、船を手に入れるのだ」
「はっ」
「では、身分証と書状を受け取るがいい」
「はっ」

アリアハンの王から、身分証と書状とを受け取ると、俺は再び王の前に膝をつき礼をする。
「では行け、アーベルよ」
俺は、後ろを振り返り出口を目指す。
途中、父ロイズを見かけたがお互いに無視をする。
俺は、1階で待っている、セレンとテルルのもとへと向かった。

俺は、1人で王と対応した。
別に3人でもかまわなかったが、万一俺が交渉に失敗しても、責任を取るのは俺1人で十分だ。
逆に成功したら、3人で王に報告すればいい。
セレンとテルルもその事
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