第6話 そして、凶報へ・・・
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かし、実際に理論をものにするには、最低でも十年は必要だろう。
何らかの業績をあげれば、母親のように「宮廷魔術師」として、生活できる職業に就くこともできるが簡単なことではない。
だから、しばらくは冒険者として生活できるようにならないといけないのだ。
俺が魔法使いになることについて、ソフィアは喜んでいた。
ロイズも喜んではいたが、本心は別かもしれない。
ロイズはたまに、セレンの父親と剣の稽古をしているが、息子と稽古ができないことを残念そうに思っているからだ。
「ただいま」
「おかえりなさい、ロイズ」
父親が帰ってきたようだ。
書類を元の位置にもどして、食卓にむかった。
「昇進おめでとう、ロイズ」
「おめでとう。とうさん」
「ありがとう。ソフィア。アーベル」
予想どおり、父親は出世した。
近衛兵として、王の警備にあたることになった。
政情が安定しており、直接戦闘に出ることもないため、死の危険もすくない。
冒険から帰っても、一緒に暮らすことができるだろう。
そういえば、勇者と一緒に冒険するので、バラモスを倒せば歓迎式典で父親が出迎えてくれるのか。少し恥ずかしいかもしれない。
「アーベル。そのときは堂々としていろよ」
「かあさんも、顔を出すからね」
俺は話を聞きながら、何か違和感を覚えた。なんだろうか。
「!」
俺は、気付いてしまった。
「どうした、アーベル?」
「どうしたのアーベル。顔色が悪いけど?」
両親は、心配そうに俺を見つめる。
「・・・。ごめん。体調がわるくなった。休む」
そういって、俺は寝室へと向かった。
最悪だ。
俺は、何を浮かれていたのだ。
父親が大魔王に殺されることを忘れているなんて。
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