第5話 そして、魔法使いへ・・・
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にたどり着く。
「おはよう、セレン、テルル」
「おはよう、アーベル」
「うん、おはよう」
冒険のことを考えながら、今日の訓練を始めた。
「今日もつかれたね」
「ああ、そうだな、テルル」
「ごめんなさい」
「セレン。謝ることはないよ」
「うん」
「そうよ、セレン。冒険で死ぬことに比べたら」
「ありがとう、テルル」
セレンの父親は、冒険者を引退して、冒険者養成所で剣技指導を行っている。
素人目にみても、迫力ある攻撃にしては隙がなく、まだまだ現役で活躍できると俺はおもっている。
セレンも俺と同じ事を考えていたらしく、父親に尋ねたことがあったが、「将来のため」と言ってそれ以上教えて貰えなかったらしい。
セレンの父親は無理でも、戦士系の職業がひとり欲しいと思っていた。
テルルは一応戦士系ともいえるが、あまり力がなく、良い武器が見つかるまでは、どうしても見劣りしてしまうからだ。
とはいえ、自分たちが勇者と一緒に行動することで、問題は解決するのだが。
勇者は、2歳年下だが、俺たちが養成所に入所したときは、既に勇者としての修行を始めていた。
勇者は、他の冒険者とは異なる養成方法をとっている。
礼儀作法や、国家情勢、歴史の勉強などである。
勇者は普通の冒険者と違って、他国にとっては国賓待遇を求められる。
つまり、国の代表という立場での行動を求められるのだ。
アリアハンの勇者が無様な様子を見せれば、国際問題にまで発展するのだ。
一方で、勇者がしゃべれないことについては、問題にはならなかった。
人の話は理解できるし、筆談も可能だ。
いざとなれば、勇者ご一行の誰かが代わりに話をすればいい。
ということで、その役割が俺たちに回ってきたのだ。
画策したのは、テルルの親父であるキセノンであるが。
キセノンは、テルルを勇者様ご一行に加えることで、他国との貿易をキセノン商会が担うよう働きかけることを考えていた。
キセノンの力は、国の勇者派遣戦略に影響を与えるほど、強いものになっていた。
まあ、同年代の冒険者候補で、俺やセレン、テルル以上のものはいなかったこともある。
戦士系の能力では、商人候補のテルルは他の戦士候補よりも下回るが、勇者が物理攻撃役としてサポートすることと、性格が「らんぼうもの」、「いのちしらず」、「わがまま」の戦士を勇者に加えることはまずいため、だれも反対されなかった。
ちなみに、「らんぼうもの」、「いのちしらず」、「わがまま」の戦士候補三人は、かつて子どもだった勇者をいじめようとしていた連中の性格である。
自業自得か。因果応報か。
俺は最初、冒険の開始時期が2年ほど遅れることを懸念したのだが、どうせアリアハンを出てロマリアにいけるのは勇者が出発してからに
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