第5話 そして、魔法使いへ・・・
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で終わりではない。
当然、「その後」を考える必要がある。
世界が平和になり、モンスターが出なくなれば当然、人間の活動領域は広がり、人口が増加する。
ただ、人口増加に食料や工業、経済が追いつかなくなれば、やがて人間同士の争いが始まる。
「人間同士の争いを無くす」という甘い考えなど持ったことはないが、それでも争う理由など少ない方がいい。
一方、セレンが僧侶になることを聞いたとき、俺は素直に喜んだ。
「セレンは僧侶になるのか?」
「うん」
「俺がけがをしたら、回復してくれよ」
「うん」
セレンは最近、俺にあまり話をしなくなった。
内気に戻ったわけでもない。セレンとテルルが話をするときは、普通に会話をしている。
かといって、俺のことをさけている様子もない。
「まあ、思春期特有の症状か」
俺は、テルルにぼやいたことがある。
テルルはあきれた顔で
「アーベル、あんた本当に「きれもの」?」
「テルル、意味がわからない」
養成所での訓練所から、成績表としてステータスの書かれた用紙をもらう。
そのなかには、能力値だけではなく、性格も知ることができる。
前の世界でもらった、通知票のノリだな。
ちなみに、テルルは「ぬけめがない」、セレンは「ふつう」だった。
「まあ、性格の評価なんてそんなものさ」
俺は肩をすくめて答える。
テルルは、俺に対して、何かあきらめたような表情をみせていた。
テルルから自分が商人になると聞いたのは、キセノン商会の一室であった。
「テルルは、商人になるのか。やっぱり家業を継ぐのか」
「あんたが、商人にならないからね」
一緒に話を聞いていたキセノンは、驚いて娘の顔を見る。
俺は、キセノンを無視し、すまして答える。
「テルルの下で働いたら、しぼりとられそうだし」
「ばれたか。楽して暮らそうとおもったのに」
「テルルの考えなど、お見通しだ」
キセノンは黙ったまま、俺たちの会話を聞いている。
キセノンは、あきらかにひきつった顔をしている。
どうやら、勘違いをしているようだ。
直接的に言うのも気が引けるので、間接的に否定する。
「じゃあ、テルルが店に出たら、最初の客になるよ」
「ありがとう、アーベル。はじめてだから、やさしくしてね」
そういってテルルは、俺の手を取ってお願いのまなざしを向ける。
俺は、商品を高く売りつけるつもりだなと苦笑しようとしたとき、キセノンの殺気を込めた視線に気がついて、あわててテルルの手を離した。
テルルが残念そうな表情を見せたが、気にしてはいけない。
キセノン商会は、アリアハン内での政治的な力もつけ始めている。
キセノン商会を敵にまわすなど、愚行にもほどがある。
そんなことを思い出しながら、養成所
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