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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第3話 そして、商人へ(違う)・・・
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みに、ソフィアがアリアハンにルーラで来た際に、対応した父親にひとめぼれしたらしい。

冒険者の多くは移動中に必要な薬草などの消耗品を購入する必要がある。
当然僧侶がいれば、購入する機会は減るのだが、僧侶の需要は非常に多く、なかなか仲間に加えることは難しいようだ。

キセノン商会では、顔なじみの冒険者に比較的安い価格で商品を販売している。その代わりに輸送時の護衛には率先して対応してもらうようにしているそうだ。
この循環は、良い循環をしており、輸送の安全性と質のよい冒険者の確保の両立を保てている。

「そろそろ、武器を新調しようと思ってね」
「かしこまりました。どうぞこちらへ」
「こんにちは、セレン」
俺は、冒険者の方にむかってあいさつをする。正確にいえば、冒険者の子どもにむかって。
「こんにちは、アーベル」
元気な声で返事を返したのは、俺と同じくらいの年齢の子どもだ。
水色に近い、長い髪の女の子で、最初は水色という髪の色に違和感を感じていたが、この世界になれるうちに、気にならなくなった。
「セレン。今日も旅の話を聞かせて」
「うん」
そういって、テルルと一緒に別室へ移動する。

俺は、率先して子どもの相手をする。
子どもは特に好きでもなかったが、話を聞くことで、外の世界の情報を手に入れることができる。ゲームとして知っている世界とはいえ、ゲームでは表現されていない内容もある。
情報をあなどってはいけない。

セレンは子どもなので、話の要領を得ないこともあるが、おもしろそうに聞く俺の表情をみると、積極的に話に乗る。
テルルも、俺と一緒に話を聞く。

「セレン。マリンスライムは食べちゃだめなのか?」
「毒はないけど、おいしくないって」
スライムだから、貝と同じようには食べられないのか。
「殻は何かに使えないのか?」
「わからない。でも、」

「装飾品の原材料になるよ。あまり高くは売れないけどね」
セレンの父親が、娘のかわりに俺の質問に答える。
「とうさん」
「待たせたな、セレン」
セレンは父親にすがりついた。
セレンは人見知りが激しいようで、あまり他の人になつかないけれども、テルルや俺は例外らしい。

店の奥から、キセノンが現れる。
「ありがとうございます」
「良い買い物だったよ。これで次の冒険は楽になる」
セレンの父親は、そういって新しい剣の感触を確かめる。

「それから、ぼうず」
男は、俺に向かって話しかける。
「いつも娘の相手をありがとな」
「どういたしまして」
「それにしても、たいしたものだ。人見知りするセレンが、ここまでなつくとは」
男はセレンの頭をなでる。
「セレン。また遊びにくるか」
「うん」
キセノンはあまり良い顔をしなかった。

俺は、まずい
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