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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第1章 始まりの終わり
第1話 そして、転生へ・・・
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みんな誤解しているな。確実に。
俺は大きなため息をつくと、目的地にむかって歩き出す。



「クリスマス中止祝賀会」
俺がこれから向かうイベント名である。
敬虔なキリスト教徒が激怒しそうな名称ではあったが、俺は彼らを否定するつもりは毛頭ない。
ただ、キリストの誕生を祝わないクリスマスイベントは中止すべきだ。というのが、俺を含めた、創設者5人の趣旨である。

残念ながら(?)、結婚したり、彼女ができたりして、創設者メンバーのうち2人が脱落し、現在では3人の参加者となっている。
まあ、賛同者を増やす活動はしていないので、いつかは自然消滅するだろう、と考えているうちに、会場である友人の家に到着した。

「メリークリスマス!」
「メリークリスマス!」
俺はどうやら、会場を間違えたようだ。
「・・・すまん、会場を間違えたようだ。失礼する」
俺の声に反応して、友人二人の声が重なる。
「ちょっと待てー!!」
俺は、部屋に置いている演題のタイトル名を指さす。
「クリスマス中止の中止祝賀会」
いつもより3文字多いタイトルは、去年までの活動を完全否定する内容だった。


「これには、理由があるのだ」
「まあ、ひとまず落ち着こう」
二人は強引に俺を部屋に招き入れ、座らせる。
俺も、しぶしぶソファーに腰掛ける。
「まあ、話を聞いてくれ」
「仕方がない、聞くだけはきこう」

結論からいえば、二人に彼女が出来たのだ。

二次元の。

「ひがむなよ」
「来年には三次元になる。なにか問題でも?」
「・・・いや、問題ない」
二人の話を聞きながら考える。どうしてこうなった?

二人の彼女については、知っている。
ゲームに人生のほとんどを費やすことを決めた俺にとって、そのゲームは話題性も含めてよく知っている。

ジャンルとしては恋愛シミュレーションゲームのひとつだが、これまでとおおきく異なる点が二つある。
一つめは、彼女が出来てからがこのゲームの本番であること。
これまでは、彼女が出来るまでがゲームの目的であることが多かった。
しかし、このゲームは、当然彼女を作る部分もゲームとして作られているが、それは、「彼女と一緒に過ごすため」に必要な部分であり、あくまで序章なのである。
それまでの恋愛シミュレーションゲームは、あくまで彼女(彼氏)を作ることまでが目的であったから、革新的な要素ではある。

もう一つは、相互依存性を高めるゲームシステムである。
ゲームシステムと言えば身も蓋もないが、プレーヤーとして一方的な介入だけでは、いずれ飽きがきてしまう。このため、彼女もプレーヤーに対して、会話やスキンシップによる依存関係を求めることで、プレーヤーに対する責任感を植え付ける。

細かい部分を含めると話は尽
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