暁 〜小説投稿サイト〜
NARUTO 桃風伝小話集
その15
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とうしがられてもずっと側に居た。
だから、そうしているうちに、私はすぐに気付いた。

サスケは、夜、魘されているって。

夢の中でまで苦しんでいるサスケに、何かしてあげたくて、でもどうしたら良いか分からなくて、苦しむサスケの頭を撫でた。
そうしたら、少しサスケの表情が穏やかになった気がした。
だから、ここ数日、ずっとそうしていたんだけど。

おじいちゃんによれば、サスケが魘されているのは、イタチさんの瞳術の影響らしい。
本来なら、上忍でも廃人になってしまったり、ずっと寝込んでしまってもおかしくはないらしいんだ。
それがこうして寝ている間だけとはいえ、術をかけられたサスケがその程度の影響で済んでいるのは奇跡に近いとおじいちゃんは言っていた。

その話を聞いたとき、私はぞっと背筋が凍った。
その限界を見極めて、サスケがギリギリ正気で居られる程度に術をかけるとか、イタチさんの常人離れした手腕に戦慄する。

それとも、本気で殺すつもりだったのだろうか。
それはないとは思うけど、でもイタチさんだって迷って、揺らいで、手探りしていてもおかしくはない。
あの人も、木の葉の行く末を憂えている人だから。

見慣れた皺を眉根に寄せて眠るサスケを見ているうちに、何となく、胸が苦しくなって、サスケの枕元に寝転んでみた。
横になって、でも、逆さまに、サスケの顔を覗き込む。

同じ高さの目線になって、眉間に皺を寄せるサスケの寝顔をちょっと眺めてみた。

ほんのちょっぴり疑問に思う。

私、何でこんなにサスケに執着してるんだろう。
綺麗に整った端正な顔立ちに、ぼんやりと思った。

少なくとも、ミコトさんの顔に似た、綺麗に整ったサスケのこの顔は嫌いじゃない。

それに、サスケと何だかんだと理由を付けて、じゃれるように遊ぶのは嫌いじゃない。
ううん。
楽しくて、大好きだ。

初めてだったんだ。
この世界に生まれてきて、初めて私に纏わる何もかもを忘れて、ただ楽しくて仕方がなくて、ずっと一緒に遊んでいたいと思うなんて。

木の葉に住む誰かと一緒に居て、私がそんな風に思うなんて。

サスケを気にするきっかけは、イタチさんの言葉で。
サスケに対する好感の後押しには、お母さんの友達で、そしてサスケのお母さんで、私もお母さんみたいに思ったミコトさんの存在もあるけれど。
でも。

あどけないサスケの寝顔を見ているとつくづく思う。

「僕に取って、サスケは何なんだろう……」

ぽつり、と誰にともなく呟いてみる。
胸に浮かぶのは、友達、という言葉。

うん。
友達。

サスケは私の友達です。

友達だけど。
友達だから。
だから、護りたいって思うんだろうか。

サスケは『木の葉』の『うちは
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