第一部
第二章 〜幽州戦記〜
十七 〜白馬将軍〜
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うのであれば、作るしかないな」
「製法をご存じなのですか? その、特別な酒の」
「特別ではないが。ただ、再現できるかどうかはわからぬが」
私が知るのは、自家製のどぶろく。
これを濾過すれば、清酒に近い物は作れるやも知れぬ。
「土方様! お願いでございます、是非、その製法をお教え下さいませ!」
蘇双は、縋り付かんばかりに頼み込んできた。
「手前からも、お頼み申します。蘇双は信頼できる男、決して他言はしないと、手前が請け合います」
「なあ、歳っち。その酒、ウチも飲んでみたいわ」
ふっ、三対一か。
隠し立てする類の物ではないし、張世平には恩もある。
「良かろう。ただし、原料や水、気温などに左右される類の物だ。私が思い描く物が出来上がるとは限らぬぞ?」
「構いません! 何年かかろうとも、やり遂げて見せます。これは、手前の商人としての意地でございます」
「わかった。ならば、製法を伝授致そう」
「あ、ありがとうございます!」
飛び上がらんばかりに喜ぶ、張世平と蘇双。
「なあなあ、利き酒はウチにもさせてえな?」
「無論だ」
「よっしゃ! 歳っち、ホンマに話がわかるわぁ♪」
……それは良いが、二人の前で無闇に抱き付くのは、如何かと思うぞ?
この話は、何故か広まってしまったらしく。
「主。酒の話に、私を除け者にするとは、あまりにも惨いですぞ!」
機嫌を損ねた星を宥めるのに、随分と手間取る羽目に陥った。
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