第二章
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「お金は幾らあっても困らないですよ」
金から離れることはなかった。
「結論はじっくりと」
「そうだね」
虚ろな顔で記者の言葉に頷くゲーリッグだった。そしてこの話から暫く後で。その悪名高きオーナーがまだゲーリッグの契約の話が済んでいないのにこんなことを言い出した。
「ゲーリッグ?いいね、欲しいね」
この発言にネットは騒然となった。
「はあ!?あの爺今度はゲーリッグかよ」
「また金積んだんだな」
皆もうわかっているのだった。またしてもこの老人の評判は悪くなったがそれでもそうしたことが耳に入るような彼ではなかった。まさに何処かの腐敗した独裁国家の将軍様である。
だが話はあのチームにとって有利に進んだ。ゲーリッグは今いるチームとの契約が難航し何時の間にか破綻してしまった。そしてあのチームとの契約はすぐに済んだ。
「このユニフォーム、着たかったんだよ」
ゲーリッグは記者会見で得意満面の顔で言った。だがその会見の光景を見て笑っているのはあのチームのファンだけであった。他には誰もいはしなかった。
「精々今のうちに喜んでおくことだよ」
「今まであのチームにいって幸せになったのいるか?」
何故か誰も金で入ってその末路はお払い箱である。不思議なことにあのチームに入って幸せになった人間はいない、少なくとも外様ではいなかった。
皆それを知っているからこそゲーリッグを冷たい目で見ていた。だがマスコミはまさに独裁国家そのものの提灯記事ばかりであった。チームの優勝請負人とまで持て囃した。
そしてペナントががはじまった。ゲーリッグは打ちまくる。だがそれでもチームは低迷していたのであった。それは彼のせいではなかった。
「おいおい、やっぱりしゃもじはしゃもじだな」
「またボケ采配やってるぜ」
誰もが実際に采配を執る監督を嘲笑jした。
「あそこで走らせるか?」
「今の野球のピッチャーの起用わかってないだろ」
いつも采配ミスで負けていた。解説者やコーチとしてはいつも大言壮語を吐いていた人物であるがそれでも実際に采配を執ってみればこの有様であった。
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