第11話
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「気を付けて。悠斗がいなくなると寂しくなるけど、次に帰って来た時には訓練の負けた分をリベンジさせてもらうわ」
「ありがとうステイシー。李。戻って来たら何時でもリベンジを受けてやるよ」
二人はそれだけ言って下がる。最後は小十郎と向かい合う。
「悠斗。遂に行くのだな」
「そうだ、小十郎。今までありがとうな。九鬼家で最初に世話になったのは小十郎だったからな」
「そうだったな。揚羽様に拾われてきたのだからな。それが始まりだったよな。悠斗。お前がいない間は俺が揚羽様を専属として支えているから、悠斗は試練に対して頑張って来てくれ!悠斗がいない間は俺も死ぬ気で頑張るからさ」
「ああ。小十郎。揚羽様を頼むぞ。俺よりも付き合いの長い小十郎だからこそ、出来る事もあるだろうからさ。それに、小十郎も俺が入った当初よりも格段と強くなったしな。任せられる」
入った当初は999番だった小十郎も、俺と共に修行しなが仕事をしていたら、いつの間にか100番台の上まで来ていた。出会った当初の様な、落ち着きの無さは成りを潜めた。熱血漢なのは代わりないが、場の空気を読める様になったりしたのだからかなり成長した証だろう。
「ああ。任された。悠斗。元気でな」
「おう。小十郎も元気でな」
互いの拳を突き出して軽く当てる。小十郎がリムジンの後部座席のドアを開けてくれる。
俺は振り向いて、今までお世話になった人達を見渡す。
「今までお世話になりました。皆さんと過ごした日々は楽しかったです。
また、必ず帰って来ます。それまでの間、皆さんもお元気で」
「うむ。悠斗。達者でな」
「悠斗!必ず帰って来るのだぞ!」
「せいぜい、頑張るんだよ」
「ふ。なに、心配してないからな。早く帰ってこい。悠斗がいないと、若手が育たぬからな」
「気を付けるんだよ。生水飲んで腹下すなよ」
「行ってらっしゃい」
様々な声援を受けて俺は車に乗り込む。小十郎がドアを閉める。
運転手が車を発進させる。俺は窓から手を振る。見送りに来てくれた皆が手を振ってくれた。
やがて皆が小さくなり、彼方か見えなくなったのを確認して窓を閉めて、椅子に深く腰かける。
「ふむ。感動的な別れかただったな。我も少し涙が出そうになったぞ」
「え?」
俺と運転手の二人しかいない筈の車の中から、女性の声が聞こえた。
俺は隣の座席を見る。
すると、そこには体のあちこちに包帯を巻いた俺の主の、九鬼揚羽様が軍配を持って口元を隠して座っていた。
「あ、揚羽様!大丈夫なのですが!?かなりの大怪我の筈では!?」
「なに。見た目ほど大した怪我ではない。包帯が巻いてある場所は殆どが擦過傷だ。今回の死合は骨を持って行かれなかったからな。普通に活
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