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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
亡国(やみ)の欠片
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「了解しました」

「可能ならば捕縛できれば良いけど、いざとなったら『ゼフィルス』の破壊も許可するわ。テロリストなんかに我々(イギリス)の機体を使われたくはないから」

「は、それでは今すぐに向かいます」

「お願いね」

 ジェーンはヴィクトリアに対して素早く敬礼をすると部屋を出て行った。それと入れ替わるかのように再びドアがノックされる。

「ウィンザー様?」

「ああ、セシリア。入っていいわよ」

 その声に促されて入ってきたセシリアは深い青のイヴニングドレスを身に着けていた。それを見てヴィクトリアは今日はオルコット家の方で舞踏会があるのだったと思い出す。恐らく衣装合わせの最中だったのだろう。

「申し訳ありません。このような格好で……」

「いや、急ぎで来いと言ったのは私よ。服を着替える間も惜しんで来てくれた事を喜ぶわ」

「恐縮ですわ。それでその急ぎのお話と言うのは何ですの?」

「ああ……そうね。まず何から話しましょうか……」

 最初から話したほうがいいわね。その呟きの後ヴィクトリアがセシリアに今までのことを説明しだした。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――


8月28日

 私はシドニー国際空港に来ています。目的は言うまでもなくIS学園に戻るため。

「スミスさん。お見送りありがとうございます」

 私は紺色のスーツに身を包んだスミスさんと共に待合室で待っています。ちなみに私は今一般の人に紛れるという意味で膝くらいまである白いワンピース。フリルとかはついてないタイプですけど結構気に入ってたりします。

「気にすることじゃないよ。君のご両親の代わりさ。むしろ僕でよかったのかと思うくらいでね」

「いえ、父さんと母さんが来てくれなかったのはお仕事ですし……それに見送りが一人でもいてくださるほうが寂しさが紛れますから」

「そうかい? それなら良かった」

 母さんも父さんもやっぱり仕事で忙しくて来れませんでした。仕方ないよね。寂しいけど。
 代わり、と言っては悪いのですが、スミスさんもこれからシドニーの支部で会議と言うことで時間があるので私の見送りに来てくれました。
 スミスさんも忙しいはずなんですけど、とても嬉しいです。

『間もなく10時26分発成田行きの受付を開始します。御搭乗のお客様は21番搭乗入り口までお越しください』

 あ、これですね。

「では、私はこれで」

「うん、いってらっしゃい。カルラ・カスト代表候補生」

 スミスさんが改まって私に頭を下げて来ました。改まってこういうことをやられてしまうと……

「う……何かくすぐったいです」

「はは、じゃあ行ってらっし
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