亡国(やみ)の欠片
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ら海軍の指揮下じゃないですか! そういうところに気を利かせましょうよ!
『なんだよー、別にいいだろー』
「そこまでしなくて良いですから……」
まあ……さっきも言ったとおり気持ちはすごい嬉しいですけどね。
『まあ行く行かないはともかく時間と飛行機決まったら教えてくれよ』
「分かりました」
その時クロエの後ろから声が聞こえました。どうやらそろそろ時間のようですね。そういえば空母の中って普通通信できないんじゃ……あ、そうか。IS使ってるんですね。
……私用化しすぎじゃないですか!?
『お、そろそろ時間だ。じゃな、元気でやれよ』
「はい、ありがとうございます」
切られた携帯電話を置いて私はまたベッドの上に座ります。見送りか〜。父さんも母さんも今はとても忙しくて無理だろうし、一人かなー。
IS学園に入学する時は政府専用機でしたから父さんも母さんも見送りに来てくれたけど、今回は隠蔽の意味も込めて民間の旅客機です。他の人がいる分寂しくは無いかもしれませんね。
嘘です。やっぱり寂しいですよ見送りもないと。また半年近く会えないんですから当然ですよね。
寂しさを紛らわせるように枕を抱えてごろごろしてみたり……
むう、大きさが足りない。IS学園に行ったら抱き枕買おうかな。
その時ドアがノックされました。
その瞬間に私は抱えていた枕をベッドの反対側に投げます。15歳にもなって枕を抱えてゴロゴロしているこのシーンを誰かに見られるのは恥ずかしすぎます。
「カルラ、いるか?」
「父さん?」
声は父さんのものでした。また父さんは休みなのに私のことばかり気にするんだから……
「うむ、久しぶりに一緒に食事でもどうだ?」
食事、ですか。食欲はあまりないんですけど、今度いつ一緒に食べられるか分かりませんし。
「うん、分かった。ちょっと待ってて!」
「ああ、ゆっくり準備していいぞ」
そういえば父さんと一緒に食事って久しぶりだな。母さん、誘ったら来てくれるかな?
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
8月26日イギリス、ロンドン
「奴らの報告は……以上です」
「そう、ご苦労様です。リットン大尉」
ヴィクトリアの執務室ではカーニングスビー空軍基地に配されていた軍人、リットンと呼ばれた大尉の姿がある。体の至る所には裂傷のため包帯を巻きつけ、ISの装甲脚に貫かれた左腕は痛々しく首から吊り下げられており、その指は未だに動かすことが出来ない。
本来なら外出などもっての他、医者から絶対安静を申し付けられている彼は、先日のカーニングスビー襲撃の件を話すためだけにこの場に足を運んでいる。
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