第四十一話
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
であったが、不要ではないと言えば不要ではなかった。
コーバッツを含めた十二人の《アインクラッド解放軍》のメンバーは、コーバッツの言う通り良く訓練をしているようで、高レベルモンスターである《リザートマンロード》をコンビネーションとコーバッツの指揮で易々と仕留めていた。
レベルも充分以上に高く、全員のコンビネーションを駆使した訓練も良い成果を残している――だが、このような最前線での実戦経験が無いに等しいのか、モンスターの防御相手にもたつくことがしばしばある。
それに加えて、疲れていることが鎧装備の見えている目から、疲れていることがまじまじと解り、そこをカバーするのが俺のこのパーティーでの仕事だった。
……まあ、カバーする度にコーバッツから『我々にはそのような助けは必要ない』とでも言いたげな視線が俺を貫くのだが、それはそれ。
……実際に、疲れたメンバーのカバーをしなければ命に関わるという訳ではないのだが、ダンジョンで安全であれば安全であるに越したことはないだろう。
「コーバッツ。そろそろ安全エリアだ。そろそろ休まないか?」
もちろん本来の依頼である水先案内人の仕事も忘れずに、かなり疲れきっているメンバーの為にも休息の提案を出す。
コーバッツとはさっき出会ったばかりの短い付き合いだが、かなりの石頭・かつ自分に自信を持った頑固者という、厄介な性格であるということはまざまざと見せつけられてきた。
もしかすると、休息を断るような事態もあるかもしれない、と思ったが……
「ふむ……確かに君が疲れてしまってはこれからに支障が出るな。十分ほど休憩しよう」
疲れてるのは俺じゃねーよ、とコーバッツに危うくツッコんでしまうところだったが、俺がそう言ったが最後コーバッツは休憩を中止してそのままダンジョンの進行を開始するだろう。
しょうがない、とため息をついてその風評被害を甘んじて受け入れると、休憩と聞いて盛大に音を鳴らしながら座った鎧装備のメンバーに、『悪いな』と言いそうなジェスチャーをされたので、『気にするな』と返しておく。
「……ショウキ?」
ボスモンスターがいる部屋へと続く階段の近くから発せられた、呼びかけられた声に反応して行ってみると、珍しく顔なじみが全員集合しているパーティーがたむろしていた。
「キリトにアスナ、風林火山……珍しいな」
特にソロのキリトが、こんな中型パーティーを組んでダンジョンにいるとは特に珍しい。
「キリト、何かあったのか?」
「あのなぁ……俺だってたまにはパーティーぐらい……」
心なしか肩を落としながらキリトが反論してくるが、こいつはもしかして日頃の自分のことが解ってなかったりするのか? そんな俺の微妙な表情がキリトに伝わったのか、どこかばつの
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ