After days
fall
黄塵万丈
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える。
ボッシュが何も答えないと見ると、トリスタンは徐々に力を入れ、HPを削っていく。しかし残り数ドットという所で、制止の声が入った。
「待ってくれ」
急斜面を上ってきたのは土まみれのレイだった。
「無事だったか」
「ああ、問題ない」
トリスタンが労うようにかけた言葉に応え、足下のボッシュに目を向ける。
「1つだけ質問だ。2週間程前、最も印象に残っている出来事は?」
「…………っ!?」
それまで微動だにしなかったボッシュの体がピクッ、と動く。
それを見たレイは満足げに頷き、トリスタンに「待たせたな」と言ってその場から離れた。
事後処理の後、改めてトリスタンとガノンは決闘を行い、トリスタンが勝利した。
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『《第3回聖獣王決定戦・決着》』
『第3回の今回は波乱の決着となった。《荒野》の集団戦の十八番、『奈落《アビス》』が成功し、優勝候補の『トリスタン』と『ガノン』の一騎打ちは会場を湧かせたが、《荒野》で起こった内紛により、両者は揃って敗退しかけた。そこへ現れた《荒野》の新参プレイヤー、『レイ』と『キリト』の活躍により―――、』
俺は先日のWBOでの大会を話題に取り上げた記事を表示しているタブレットをうんざりしたため息を吐きながら前列のキリト――もとい、和人の頭の上にゴン、と乗せた。
時は昼下がりの4限目。授業も残り5分という事もあり、生徒達の大部分はだれてきている。
とは言っても授業中に携帯用タブレットをネットに繋げて電子世界を漫遊しているのは彼だけだ。
昨日の大会終了後から様々な掲示板やコミュニティサイトを騒がせている件の話は今日の昼頃――つまり現在――になり、大分詳しい情報が出てきている。だが、プレイヤーネームまで出てきてしまったのは些か面倒なことだった。
それを案じて昨日から暇見ては各情報サイトを監視していたのだが、実際にそれを見ると鬱な気持ちにもなるのだった。
ウトウトしていた和人はビクッ、と跳ね起きると、タブレットを受け取ってザッと目を通すと螢と同じようにうんざりしたため息を吐いた。
終業のチャイムが鳴り、生徒達がガヤガヤと教室から出ていくのを眺めながら俺達はノロノロと片付けをしていた。
「一応、クレームは送っとくか……」
「ああ……」
取り出した携帯端末からタブレットのご意見フォームにアクセスしてプレイヤーネームを取り下げるよう投書する。
更新されたのは30分程前なので、うまくいけば直ぐに反映されるだろう。
「……もし、万が一。こう
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