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Monster Hunter ―残影の竜騎士―
6 「仲直りは案外単純なもの」
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んだけど、それが聞こえたあと目を覚まして、崖から飛び降りた」
「え!?」
「あたしも驚いたわよ。でも、そしたら崖の下からさっきの黒い飛竜の背中に乗ってたの。そのまま飛竜に乗って渓流の方へと向かってサヨナラよ。まるで家族みたいに安心して身を預けてた」
「飛竜の背中に乗った!?」

 エリザが資料をテーブルの上に置く。2人で覗き込むように見開きのページを見た。

「で、さっき調べたところ見つけたのがこれ。その飛竜の名前はナルガクルガ、別名迅竜。危険度は5ツ星で、リオレウスとも並ぶわ。ちなみに、リオレイアの危険度は4ツ星」
「あのリオレイア以上の危険度の竜を、手懐けてるってこと!?」
かもしれない(・・・・・・)、よ。まだ確定じゃない。到底信じられる話じゃないから、その話は村長にも誰にも言ってないの。黙っておいてよ」
「わ、わかった」

 ごくりとつばを飲み込みながら、神妙な面持ちで頷くリーゼロッテを見て、エリザは思わず笑ってしまった。リーゼとこんなに顔を寄せ合って話をするなど、昨日までは想像もつかなかっただろう。

「今日午後から、村の男衆を連れて渓流に偵察に行くことになってるの。当然、あたしたちも護衛としてついていくから、準備はしておきなさいよ」
「え。エリザ、怪我は…」
「ついて行くぐらい平気よ。弓だし。それよりあんたは? アシラの攻撃とか、当たってたじゃない」
「あれぐらい、平気だもんね! ちょっと脳震盪おこしただけだって」
「あーら、そう? 次は気をつけてよね。後衛を守るのが剣士の役目なんだから」
「いつか後ろから狙撃されそうで怖いわ……」

じゃあ、あとで。

 2人は来た時とは正反対の晴れ晴れとした顔でオディルの家で別れ、それぞれの家へと帰っていった。お互いに手を振り合うその様子に、驚いたユクモの老人の1人がぎっくり腰になったとか。

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