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IS インフィニット・ストラトス〜転生者の想いは復讐とともに…………〜
number-45 moonlit night
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ていたのだ。


束は麗矢の枕元まで行き、麗矢の髪を撫でた。
当然カーテンに遮られているため、一夏には見えない。
見られないことをもどかしく思いながら、起きているとばれないように耳を向ける。


「――――ふふふ、どお? 束さんのファーストキスは」
「――――ッ!」


カーテン越しに聞こえてきた束の言葉に一夏は思わず声を上げそうになる。
それを何とか抑えて、心を落ち着かせる。


一夏は自分への好意には疎いくせに他人への好意はすぐに気付く。
束の声を聴いてすぐに分かった。
完全に麗矢に惚れていることを。
動悸が止まらない。心音で二人にばれそうだ。


「…………ねえ、れーくん」
「……なんだ」
「死ぬのって怖くないの?」


一夏は息を呑んだ。
呼吸も最低限に、見つからないように息を潜める。
あちらは一夏の様子に気づかない。


「……その様子からすると気づいて……いや、当たり前か。……そうだな、それはその時になってみないと分からないな」
「……そっか。……今までありがとね。じゃあね、元気で」
「……それはこっちのセリフじゃないか?」
「……そっか、そうだね。――――バイバイ」


一夏はベットから身じろぎひとつすることなかった。
麗矢と束の会話に引っかかったところがあるのだ。
何か違和感があった。
それに気のせいかもしれないが、ポタッと何か雫が落ちるような音がしたのだ。――――おそらく涙。


「――――!」


一夏はある一つの仮説に行きついた。
しかもこれが真実ならば、それは――――


一夏は自分の体が震えていることに気付く。
やはり本当のことなのか。
あの会話はもう会えなくなるという感じにとれる。
雫が落ちるような音、これは涙で間違いない。悲しんでいるのだ。
それに、元気でという言葉を麗矢はこっちのセリフと言ったのだ。
まるで俺はもう元気ではないと言っているようなものだった。


結局、一夏はあれから一睡もできなかった。
考えれば考えるほど、後ろ向きな考えになってしまって、寝ようにも寝れなかった。


      ◯


真実ならば、それは――――


               ――――夜神鳥麗矢の死。






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