始まり
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「あの人、苦手なの?」
突然のナギサの言葉に俺は驚く
「んな訳ねぇだろ。友達・・・だよ」
「その割に途中からさりげなく私の後ろに隠れようとしてたよね」
「うぐ」
確かに俺はソウヤが苦手だ
とはいえ、別に性格が嫌いなわけではない。あいつは調子に乗るところもあるが、いい奴だ
「何か隠してるでしょ」
言って、横からのぞき込むように見上げてくる
何となく困る
返答に詰まる俺に、ナギサは今度は少し意地悪な笑みを浮かべる
「あれ、四回も命を救ってあげたのって誰だっけ」
「うぐっ」
それを言われると痛い
俺は一瞬迷う
だがまぁ、いつまでも隠しておけることでもないし、隠す事自体彼女にはいらぬ心配の気もする
「アイツーソウヤは俺と組んできたパーティーの唯一の生き残りだ」
四ヶ月前に俺と奴は出会った
始まりは、最前線で苦戦する俺を、奴が仲間とともに助太刀、などと言って手伝ってきたことだ
俺は、<死神>の事も持ち出して断ろうとしたのだが、十日もつきまとわれ、しかたなく仲間に加わってしまった
思えば彼らはそれまで組んできた奴等の中でも特に親交が深かった
彼らの暖かな雰囲気の中にいた俺は、あのとき確かに幸せだったのだろう
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