新たな我が家〜
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・・・ゆっくり、目を開いた。広がる天井はこの世界では見馴れた・・・自分の部屋の天井。
「・・・よし」
SAOから帰還してから二ヶ月位が経過した。病院からも退院して、今は家で過ごしている。
「コンタクトは・・・」
右目にコンタクトを入れる。無いよりはあった方がマシだ。・・・着けていてもかなりボヤけるが。
「起こさないように」
ちなみに現在一月中旬の朝4時。当然外は暗い。何でこんな時間に起きるのかと言うと・・・
「一二・・・三四・・・」
外に出て準備体操。そして身体が解れたら家の周りをランニングする。
「(ペースを一定に保って・・・持続させるように・・・)」
軽く三周してから、家の庭に戻る。
「何時見ても広い庭・・・」
いや、ラントの庭も相当だったが、ここは日本・・・ある意味フルダイブシステムを除けば大体は俺がいた日本と同じなのだ。なのにな・・・これ、元の俺の家の庭の何倍だ?
「とと・・・身体が冷える前に・・・」
軽く足踏みをしてから・・・ダッシュ!
「ふっ・・・!」
そして庭の端まで言って、壁に触れてからまたダッシュで戻る!
「・・・っ!」
戻ったらまた壁までダッシュを数十往復して、ペースと息が乱れ始めたので走るのを止める。
「チッ・・・この程度で、息切れか・・・」
まあ、ここまでやれば分かったと思うが、二年間も寝たきりだったので、身体を鍛え直しているのだ。食事のカロリー計算、筋肉の付け方、運動方法・・・俺にしては珍しく色々考えていた。
「・・・」
結局・・・あれから思春の行方は掴めていない。よく考えたら彼女はこの世界の戸籍とかないし・・・ああくそ、もっと話題を詰めて茅場に問い詰めりゃよかった。
「すぅ・・・はぁ・・・っ」
息を整え、もう一度ダッシュ。最初は歩くこともしんどかったが、繰り返していく内に走るのまで問題は無くなった。
「・・・そう言えば」
ちょっと止まって目を閉じる。
「(・・・やっぱり、あることにはあるんだよな)」
長年の感か、集中すると恐ろしい程微弱だが“気”が流れているのを感じる。
「(だけど表には出せない・・・)」
思い切り溜めれば出せるかな?そう思って右手で左腕を掴み、思い切り・・・
「亮お兄ちゃん、何してるの?」
「わひゃあっ!?」
背後から声をかけられ、思わず飛び上がる。
「な、なんだ、直葉か・・・あれ、もうそんな時間?」
「うん、もう7時だよ。亮お兄ちゃんも凄い早起きだよね」
彼女は妹の桐ヶ谷 直葉。眉の上と肩の上でばっさり切った青みがかった髪に勝ち気な瞳は二年経っても変わりなかった。
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