暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜無刀の冒険者〜
SAO編
episode6 虚ろな風と再びの火種2
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ほしいの。対策は、最大限立てておきたいし」
 「……そうか」
 「…っ、そして、もうひとつ。もしも戦闘になっても、私達は出来るだけ、死者を出したくないわ。勿論相手が抵抗を続ければ、全損もやむなし、とは考えているけど、それ以外にも方法を持っておきたいの。具体的には、『武器破壊(アームブラスト)』の使い手を探してるの」
 「……そうか」

 予想外の自体に、アスナは胸中で狼狽する。

 彼女の予想では彼は怒りに狂っており、寧ろ「殺さずに捕える」という条件に納得してもらうために説得に来たのだ。こんな…まるで生きた屍のようになっているとは、思いもしなかった。

 と同時に、アスナは、シドを励ますことが出来なかった。もし自分が最も愛する人を…あの黒装備の青年を失ってしまったらと考えると、軽々しく彼に言葉をかけられなかった。彼は今、まさにその状況にいるのだから。

 「……っ」

 口を開き、しかし何も言えずに、言葉を飲み込んだアスナを見て、シドは再び腕で目元を隠した。拒絶を表す意味ももちろんあったが、これ以上アスナにこんな自分の姿を見せたくなかった。そして、ア
スナに、これ以上そんな顔をさせたくなかったのだ。

 互いの、無言。
 それを破ったのは、それまで沈黙を守っていたもう一人の来訪者だった。

 その一人は。
 顔を隠したシドの横へとしゃがみこんで。

 「っ…?」

 胸倉を掴んで上体を無理矢理に引っ張り上げ。

 「なんなのよアンタは!!!」

 そしてその頬を全力で…音高く張り飛ばした。



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