第四章、その7の3:盗賊包囲
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が突っ掛かり、叫ぶように詰問した。
「なんとかならねぇのかよっ、これはさぁ!?」
「・・・ならんものはならんだろう」
「何他人事のように言ってやがる!!お前が招いた事態だろっ!?何とかしろよ!!」
確かに、指揮官であるならばその責任を取らねばならないのかもしれないが、エルフの男にとっても言い分はあった。
「・・・ここまで敵がやるとは思ってもみなかった。あんなに見事な用兵とは・・・」
「知らねぇよ、んなもんはよぉ!!それよりどうするんだっ、俺らもう百人しか居ないんだぞ!!しかも怪我したりで、全力を出せる保障は無ぇんだ!」
その通りであった。先の野戦において、六百を超える数は居た盗賊らは、今は負傷者込みで見積もっても、まともに動けるのは百人程度しかいないのである。他の者は既に数日前に殺害されるか、或いは戦傷が祟って村で衰弱していた。つまり、まともな抵抗が出来る状況ではないのだ。
それでも盗賊らは希望に縋りつくしかなかった。丘の戦闘では、一人の例外も無く仲間は殺された。つまり彼らの敵方は、彼らに対して慈悲を与えたりはしない。投降を無視して殺しにくるのだ。今更容赦されるとも思ってもなかったが、しかしそれを認めるほど男達は諦めの良い性格ではない。
「責任を取れ!!どうせ俺らはもう糞溜りの糞なんだよ!!誇りだの名誉だの拘る必要なんかねぇ!!」
「だ、だが・・・」
「ちっ。この玉無しが!もういい、俺はやってやる!!最後まで足掻きまくってやる!!」
男が踵を返し、生き残りの人質が詰められる家屋へと向かっていく。残された盗賊の指揮官は、不甲斐無い弱気な顔つきをしながら、一人己の武具の点検をしていた。彼以外に誰も彼の事を構わず、ただ生存と反逆のために気侭に己を奮っていた。
それから更に数十分後、時刻が正午にもなろうかという時間。遂に盗賊らにまとまった動きが見えてきた。遠くから観察していた慧卓らにも、その様子が理解できた。
「・・・動きがありましたね・・・」
「・・・下種め。そうきたか」
苦々しい義憤をアリッサは零す。村の入り口に数人の人質が連れてこられて、見せしめのためであろうか、盗賊によって斬首の憂き目に遭っていた。地面に頸が転がっていくのを同時に、賊の蛮声が届いた。
『エルフの軍に告ぐ!!糞喰らえ、土人共!!大人しくママのホトでも犯してやがれ!!!!』
「下劣にも程がある。これをずっと眺めていろと言うのか?」
アリッサの問いに対しチャイ=ギィは何も返せない。鼻を鳴らして不機嫌さを露にする上司に向かって、慧卓は言う。
「・・・賢人様の所に戻りましょう。対策を協議しなくては」
「いえ、その必要はありませんわ」
「!ソ=ギィ殿」
彼等に向かってソ=ギィが向かってきた。常
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