第二十三話 少年期E
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たわけではないのなら、……本当にバグか何かが起きたのだろうか? 実際にチート+チート=バグという経緯でできたのなら、俺は納得できるけど。
「うーん、もしかするとではあるが。インテリジェントデバイスには意思があり、それに思考能力もある。それは使い手の思考や考えを吸収して、一緒に成長することができる可能性もある、ということでもあったりするんだが…」
「…………」
チート+チート+カオス=バグだったか。
******
「今日はありがとう。いっぱい話せてよかった」
「私もだ。そうだ、身体に気を付けないと駄目だぞ。季節の変わり目は風邪をひきやすいからな」
「それ、父さんにも当てはまるからね」
「またのご来店おまちしています」という店員さんの声に挨拶を返しながら、俺たちは店から退出する。なかなか良心的な値段だったし、今度は母さん達にもちゃんと紹介しよう。おいしいものはみんなで分かち合うべき。
「最後にさ、これクッキーなんだけどもらってほしい。アリシアと一緒に作ったんだ」
「そうなのか。……あぁ、よくできている。アリシアはやっぱり猫が好きなんだな」
「あ、わかる? アリシアってば型を作るときに、リニスの写真を見ながら頑張って作ってたんだぜ。クオリティーの高い猫が大量に並べられた光景はすごかった」
アリシアのやりきった顔は、まさに職人だった。
「ちなみにこの片足をあげて、腕を伸ばしているのは…」
「荒ぶる鷹のポーズ」
「猫だよな」
「肉食獣なみの迫力を持っているから、家の猫は。間違っていない」
あの狩猟本能と見事にマッチしていた。特に意味のないポーズなのだが、ただリニスにこれを本気でやられたら、俺はビビる自信があった。
『それでは、マイスター。お食事はしっかりとってくださいね』
「睡眠時間は6時間ぐらいちゃんととること。あと、日光も浴びないと駄目だからね」
「……その、なんだか立場が逆転している気が」
父さんがなんか言っているが、気にしない。これからは時間があるし、定期的に父さんを外に連れ出した方がいいだろうか。仕事の邪魔をしないようにはするけど、この人、気づいたらキノコが生えるまで籠っていそうだし。冗談でなく。
「とりあえず……元気でね、父さん。ほどほどに仕事も頑張って」
『また連絡いたしますね』
「あぁ、こんな短い時間しか会えなくてすまない」
「いいよ、全然。俺はそんな時間も好きだからさ。そうだ、転移で送るよ。入り口の前らへんで大丈夫かな」
頷いた父さんの手を俺は握り、いつも父さんが働いている研究所のイメージを頭の中で思い描く。少し冷たいけれど、俺の倍以
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