第二十三話 少年期E
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人しか知らない。リインさんたちのような人型をとれるデバイスじゃなくても、しゃべれるコーラルを不思議に思っていた。
「あぁ、それか。術式構成言語は変更することができるんだ。私が手を加えておいた」
「え、まじで。そんなことができるの」
「できるかと言われればできる。ただ一般的ではない。デバイスは魔法の補助機具であり、通常言語は絶対必要なものではないからだ」
父さん曰く、通常の魔道端末はシンプルな術式構成言語(俺が言う英文喋り)で構成されているらしい。魔法を扱う際の詠唱と同じものの方が、魔法の処理速度をスムーズにしてくれるからのようだ。確かに魔法の起動キーワードとかは、術式構成言語で行われるのが一般的だったな。
「なによりも、ただでさえインテリジェントデバイスとして処理の容量を取っているんだ。それに通常言語を付け加えれば、記憶容量をさらに使うことになる。魔導師にとってどれだけ魔法を早く発動できるのかが重要な要素の中で、容量を圧迫させる通常言語は邪魔にしかならないんだ」
「……つまり、通常言語を話すデバイスは魔法戦に向いていない?」
「極論を言ってしまうとそうなる。……必要のない機能だったか?」
とりあえず、どうしてコーラルがペラペラ通常言語を話すのかはわかった。魔導師の補佐である端末が、魔法戦に向いていないのは確かに致命的だろう。デバイスとは本来、魔法を使うための道具なのだから。
「ううん、俺はこれでいいよ。だってさ、今更英文喋りのコーラルなんてつまらないし」
『いいのですか? 本来のデバイスとして僕は……』
「いつもコーラルが言っているじゃん。俺はデバイスとして、全然使ってくれないマスターだって。俺にはこれぐらいが丁度いいぐらいだよ」
父さんがコーラルにこの機能をつけたのは、俺たち兄妹のためだろう。魔導師のための機械より、俺たちがさびしい思いをさせないための家族として。それに俺は、なのはさんたちのような戦闘をするつもりなんてこれっぽっちもない。魔導師として自衛できるだけの力があればいいし、緊急の時はレアスキルで逃げればいいさ。
「ところで言葉はいいんだけど、コーラルの性格はなんでこんなことになってるの。通常言語インストールするとこうなるの?」
『こんなことってなんですか!?』
「いや、性格に関してはなんでこんなことになったのか私にも……」
『親子そろっていじめて楽しいですか!?』
残念だったな、コーラル。アリシアの父親だぞ、この人は。悪気もまったくなく、素でなんでコーラルが怒っているのか不思議そうにしている父さん。きょとんとした様子は、容姿の特徴が似ていることもあるが妹とよく似ている。アリシアは母さん似だけど、やっぱり親子だなー、と笑ってしまった。
しかし性格は父さんが手を加え
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