第二十三話 少年期E
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笑を浮かべた。
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定食についていたお茶を飲みながら一服する。目の前にはきれいに完食されたお昼ご飯。故郷の味だからということもあるが、すごくおいしかった。
定食定番のご飯も釜戸を使った本格仕様らしく、ふっくらしながら絶妙な粘りもあった。それに一緒に出てきたお吸い物は手作りらしく、秋らしい人参の紅葉が舞っていた。かつおだしも変な癖がなく、あっさりとした口当たりだった。
これは確かに惚れる。カウンターの向こうで料理をしている料理人さんたちを見る。ほぼ定食屋みたいなところだが、居酒屋のような店にあった板前風の格好の方々。くっ、いい仕事してやがる。
「そうか、魔法陣の形成手順はできたのか。それなら次は、圧縮した詠唱文に対する魔法陣の上乗せに入っていくべきだろうか」
『それもありますが、僕としては高速術式の展開方式関連にも手を出してもいいと思いますね。最初は泣かれると思いますが、今のうちに少しずつ定着させておいた方がいいでしょうから』
「確かにそうだな。だがそれを加えるとなると、方式の複数接続や変更、破棄の仕方も必須か。泣かれそうだが……なんとかテキストを揃えよう」
さて、着々と練られる俺用の魔法の宿題に対する現実逃避もそろそろ終わっておこう。というか、そういう話は本人がいないところでやれよ!? あと泣くの確定かよ! 俺リリカルの世界に来て、かなり後悔しているのは魔法だって断言できるぞッ!!
父さんは忙しいのに、俺に合ったテキストをいつも用意してくれる。俺の勉強を最後まで見る、という約束を守ってくれているのだ。……その心遣いは大変うれしいけれど、父さんの愛が精神的につらいです。
コーラルは父さんの手によって作られたため、よくデータを送ってもらっているらしい。勉強やその他もろもろ含めて。母さんも俺への安全装置やら機能の追加、デザインなどに手を加えたため、製作者が2人という状態ができた。最も原型を作ったのは父さんなので、細かいところは母さんでもさっぱりらしいが。
「……そういえば気になっていたんだけど、なんでコーラルってこんなにしゃべるの?」
『えっ。まさかの人格否定!?』
「いや、性格はおかしいけれど否定する気は全然ないよ。ただ俺のイメージ的にデバイスって英文喋りで、魔法関連以外寡黙なものだと思っていたからさ」
最初にコーラルをもらったときは、まさにそんな感じだった。俺のことも『master』って呼んでいたと思う。ん? そういえば今のコーラルがする俺の呼び方って、なんか違うイントネーションな気がするんだが……。まぁ、それは別にいいか。
第2期、ギリ第3期までの知識しかない俺だが、少なくとも今のコーラルみたいに話せたデバイスは、ユニゾンデバイスであった2
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