第二十八話とお知らせと
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かったし、兄上からはマントを。
ベウレク卿やグレイドにフィンそして多くの武官、文官からは激励してもらった。
レンナートさんはもう戦えなくなってしまったけれど、俺の授かった領地の代官として頑張ってくれている。
みんなの為にも、がんばらないとな!
アルスターからターラへ向かい、そしてメルゲン城塞を経由しペルルークへとたどり着いた。
今まで南北のトラキア地方からは離れたことは無かったので、これが本当の意味での異国への旅となるわけだ。
ここは北部トラキア地方よりも日差しが強く、乾燥しているが降雨もそれなりにある。
現実で言うなら地中海の国々のような、そんな風土なんだろう。
ここからミレトスへ向かう訳だが、俺はペルルークで何通か手紙をしたためた。
レンスターのみんなには道中の無事を、レイミアにはグランベルで暮らすようになるからとりあえずはシアルフィに連絡をしてくれってね。
さすがはグランベルの公使を守る軍勢が付いた一団ということで道中に襲ってくるような身の程知らずは居らず、滞りなくシアルフィの領土にまで入った。
シアルフィで俺はこの一団と別れることになるので団長となる元正使や護衛軍団長などにはお礼を申し上げ、ここまでの旅の無事も共に祝った。
兄上の時は従卒と護衛の随伴が認められたが、今は候補生の自主性をより高めるためということで基本的に候補生は単身で入校するようにと書状にあったため、本当に一人になってしまった。
とはいえ、既にシアルフィ城には入城し、係の人には書状や身の証を立てるものを幾つか提示してあるのでじきに迎えが来るであろう。
じきに迎えが来るであろう
…じきに迎えが来るであろう
……じきにむかえgry
もうとっぷりと日も暮れ、荷物と共にどうしたものかと思っていたところ。
「いやー、君がキュアンの弟くんだね! ほんのすこし遅くなったが迎えに来たよ。わたしはシグルドだ」
デカイな!そしてイケメンだ!
「シグルド公子自らのお出迎えに恐縮いたします。おっしゃるようにわたしはミュアハ・ノーファ・レンスターと申すレンスター第二王子であります」
同じ姿勢でずっと待っていたせいもあり体の節々が痛かったりもしたがなるべく礼儀正しくグランベル風の礼を行った。
「はっはっ。そんな堅ぐるしくしなくていいのだよ。さて、旅の疲れもあるだろうついてきたまえ」
「仰せのままに」
彼に伴われた人員に荷物を預け、使用人や警備の兵に気さくに声をかけるシグルド公子に従い、俺は彼らの居住スペースに連れていかれた。
「食事はまだだね? いや私がまだなのもあってね、さぁさぁこっちだ」
ずんずんと進んで行くシグルド公子は歩幅が広いので少し小走りにならないと付いていけないくらいだ。
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