第十三話
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「赤い霧……だな」
「赤い霧だねぇ」
境内を掃除中に俺と魅魔は空を見ながらそう呟いた。
「異変……だろうな」
「異変……だねぇ。巫女は動くのかい?」
「霊夢の性格からしてギリギリまで動かないかもしれんなぁ」
「魔理沙が動き出しそうだけどね」
「それは十分に有り得るねぇ」
のほほんとしているがまぁ霊夢が動かないしな。それに上白沢に聞いたらこの霧で人里の人間は外出せずに家に閉じ籠っているらしい。
「おーい霊夢、遊びに来たぜぇー」
ん? そこへ霧雨が箒に跨がって飛来してきた。何しに来たんだ?
「お、兄ちゃん。霊夢はいるか?」
「魔理沙ぁ〜私は無視かい〜?」
「そ、そんな事はありませんよ魅魔様」
霧雨が魅魔の睨みにビビっている。まぁ乙だな。
「霊夢なら縁側で茶を飲んでるよ」
「異変なのにか?」
「異変でも茶を飲んでるよ」
「なら私が霊夢を異変解決させるように言ってくるぜ」
霧雨が溜め息を吐いて縁側に向かった。
「霧雨が説得しても霊夢は異変解決に向かわないに三文」
「賭けが出来る状況じゃないね」
俺と魅魔が笑いあう。
「異変解決、妖怪退治は巫女の仕事だろッ!!」
その時、縁側から霧雨の怒号が聞こえてきた。やっぱ異変解決には向かわないみたいだな。
「なら私が行ってやるよッ!!」
霧雨が大股で此方に向かってきた。
「無理だっただろ?」
「あぁ、代わりに兄ちゃん行くぜ」
「は? 俺?」
「霊夢の代わりだぜ」
霧雨はニヤリと笑う。え? まさか俺を連れて行く気か?
「当たり前だぜ。何せ魅魔様と十分に戦えるんだからな」
「別に俺は行く気は……」
「行ってやりな誠」
そこへ魅魔が声をかけてきた。
「どうせこの馬鹿弟子は私が止めても行く気だよ。だから行ってやりな。霊夢の事は任せておいてくれ」
「……分かった。魅魔がそう言うなら魅魔に霊夢を任せるわ」
俺はそう言って言霊の力で浮かび上がる。
「それじゃあ行くぜッ!!」
霧雨の掛け声と共に俺は大空へと飛んだ。
「ところで何処に行くんだ?」
「霧の湖が怪しいぜ」
……直感なのか?
「魔理沙と誠が行っちまったよ。どうするんだい霊夢?」
「………」
私の言葉に霊夢は何も言わない。
「そんなに異変を解決するのが嫌なのかい?」
「……別にそんなんじゃないわよ」
「じゃあ何なんだい?」
「………」
「ん?」
「……私が強すぎると誠兄が恐がらないかと思うのよ……」
……何だこの霊夢は
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