第66話 太陽の子、その名はRX
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RXの言葉など無視し、サイ怪人は突進してきた。猪突猛進とは正にサイ怪人にこそ相応しい言葉だ。一直線に突進し、全てを粉砕する強力さ。それがサイ怪人だ。
だが、その言葉は返上せねばならない。何故なら、今正に、その突進は止められてしまったからだ。
「なっ、馬鹿な!」
サイ怪人は戦慄した。自慢の突進を、今まで誰も止められなかったこの突進を、幾多の戦場を勝ち抜いたこの突進を、そのライダーはいとも容易く受け止めてしまったのだ。それも、腕一本で。
サイ怪人の目に映ったそのライダーの姿が変わっていた。今までの黒いライダーから一変し、今目の前に映っていたのは黒とオレンジの色合いを持った別のライダーであった。どう言う事だ? こいつはRXじゃない。
「き、貴様……一体何者だ?」
サイ怪人は叫んだ。貴様は一体何者だ? 何故、俺の突進を片手で受け止められる。それが知りたかったのだ。答えが帰って来たのはほんの数秒後だった。だが、その数秒がサイ怪人には数分にも思えた。
「俺のこの姿はクジラ怪人の、そして多くの人々の悲しみの姿だ。俺は悲しみの王子、その名はロボライダー!」
そう名乗るなり、ロボライダーは軽々とサイ怪人を持ち上げた。それもあの突進を受け止めた片手だけでだ。
信じられなかった。サイ怪人の胸中は正しくそれであった。今まで自分をこうも軽々と持ち上げた者は居ない。だが、その存在は今目の前にこうして現れたのだ。
ブルル!
突如、サイ怪人は自分が震えている事に気づいた。サイ怪人の本能が悟ったのだ。この新しいライダー、仮面ライダーBLACK RXには自分がどんな事をしても勝てないと言う事を。
だが、そんな事は一瞬の気の迷いに過ぎない。戦いは最後に勝てば良いのだ。すぐさま地面に降り立とうとサイ怪人はロボライダーの頭上で激しく暴れた。
「うおおぉぉぉぉ!」
そんな時、ロボライダーは雄叫びをあげながらサイ怪人を遠くへと放り投げた。突如投げられたサイ怪人は全く反応出来ず無様に地面に倒れる。
「おのれ、この俺様に恥じをかかせやがって!」
「ゴルゴム怪人、俺はお前達を絶対に許さない!」
そう言うなり、ロボライダーの手には一丁の銃が握られていた。その銃は突如ロボライダーの手に現れたのだ。そして、その銃を握り締めて銃口をサイ怪人へと向ける。
「受けてみろ! ボルテックシューター!」
ロボライダーの持たれた銃から強力なエネルギー弾が放たれた。そのエネルギー弾はサイ怪人に直撃し、スパークし爆発した。その爆発したエネルギーはサイ怪人の巨体を軽々と吹き飛ばし、再び無様に地面に倒す。即座に立ち上がろうとするが、その体は全く言う事を利かない。そんなサイ怪人に向かい銃口を向けたままロボライダーが迫って来る。
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