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スーパーヒーロー戦記
第64話 第二次日本攻略作戦(前編)
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口から大きな気泡が吐き出された。我慢の限界に達してしまったのだ。全ての息を吐き出し、そのまま意識を失ってしまった。

(死ねない……こんな所で、死ぬ訳にはいかないのに!)

 一人必死にもがくなのは。だが、そのなのはもまた限界に達し、口から気泡を吐き出してしまった。
 開いた口を塞ぐように海水が流れ込んでくる。呼吸が出来ない。意識が遠のいていく。

(いや……だ……死に……たく……ない……よ……)

 薄れ行く意識の中、なのはの最後の言葉がそれであった。そして、その言葉を最後に、静かに、そして力なく、その目蓋は閉じられた。




     ***




 南光太郎、仮面ライダーブラックと秋月信彦、シャドームーンは激しく戦っていた。次期創世王の座を賭けた避ける事の出来ない戦いであった。
 だが、南光太郎は戦えなかった。親友を手に掛ける事など出来なかったのだ。

「止めてくれ信彦! 俺はお前と戦えないんだ!」
「ならば死ぬが良い、貴様のキングストーンを奪い私が創世王となる」

 容赦ない攻撃がライダーブラックに降り注がれる。それに対しライダーブラックは防戦一方となってしまった。このままではこちらがやられてしまう。今倒れる訳にはいかないのだ。

「シャドームーン様!」
「むっ!」

 見上げれば四人の騎士達が戻ってきた。だが、其処にはやてとなのはの姿がない。まさか―――

「始末はつけてきたか?」
「はい、今頃は鮫の餌となってる事でしょう」
「そんな……」

 光太郎の体から力が抜ける感覚がした。はやても、なのはも死んでしまった。二人を殺したのは自分だ。自分がシャドームーンを倒す事を躊躇ったばかりに二人の少女を殺してしまったのだ。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

 天に向かい、光太郎は叫んだ。その目にはもう一切の迷いがない。立ち上がり構えを取った。今まで幾体もの怪人を葬ってきた必殺技の構えだ。

「来るか、ブラックサン」
「信彦、嫌……シャドームーン、俺はもう迷わない! お前が人々を苦しめるのなら、俺はお前を倒す!」

 ライダーブラックのベルトから紅い光が放たれる。体中から力が湧き上がって来るのが感じられた。
 そしてそれはシャドームーンも同じであった。シャドームーンの腰のベルトが緑色に輝いていく。

「俺はもう迷わない! ライダァァァキィィック!」
「行くぞブラックサン! シャドォォォキィィック!」

 ブラックサンとシャドームーン。ライダーキックとシャドーキック。二人の必殺技が互いに激しくぶつかりあった。その威力は火花を散らし、辺りの空気を歪ませていく。
 閃光、一瞬辺りに眩い閃光が放たれた。それは回りに居る者達の視界を奪う
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