第64話 第二次日本攻略作戦(前編)
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ータが数発の魔力弾をこちらに放って来ていた。咄嗟にそれを魔力結界を用いて防ぐ。だが、それを防ぎ切った後に出て来たのはザフィーラの拳であった。
「我等が主の命だ。覚悟を決めろ!」
愚直な拳があっさりと結界を叩き割る。そのまま拳は放たれてきた。咄嗟にはやてを庇うようになのはが盾となりそれを受けた。
体がくの字に曲がる。深く鋭い拳がなのはの腹部に命中したのだ。
「ゲホッ!」
「あ、あぁぁ……」
もう何が何だか分からなかった。騎士達は自分達を殺しに来ている。幾ら呼びかけてもその言葉に応じようとしない。そんな騎士達から自分を守ろうと親友が傷ついていく。心が痛む光景であった。
突如、体が何かに縛られる感覚がした。シャマルのクラールヴィントだ。細い鋼線の様なそれが二人を雁字搦めに縛り上げていくのだ。
「無駄な消費をしたら駄目よ。シャドームーン様のお手を煩わせるつもり?」
「すまん、一撃で仕留めるつもりだったのだが」
「こいつらしぶとすぎなんだよ」
動けないなのはとはやてに対し騎士達の言葉が突き刺さる。もう既に彼等の心は昔の優しい騎士達の心ではない。彼等はもうゴルゴムの一員となってしまったのだ。
「ならばこのまま一撃で仕留めるか?」
「その必要はないわ。此処は海の上……だったらこの方が経済的で良い筈よ」
そう言うなり、シャマルはクラールヴィントから発せられた糸を切り離した。勿論、二人は縛られたままだ。この状態では飛行魔法など使えるはずもなく、第一なのはにはもう飛ぶだけの余力がなかった。
そのまま二人は冷たい冬の海の中へと消えていってしまった。激しい水しぶきが上空に居る騎士達にまで届いた。
「成る程な。あの状態では泳ぐ事も出来ずそのまま溺死か。えげつない事を思いつくなシャマル」
「少しでも魔力を温存したいじゃない。あんな人間如きに使うなんて勿体無いわよ」
笑いながらも言う事は残酷であった。とても昔のシャマルでは言う言葉じゃない。
「だな、それにあたしらにはまだやるべき事が沢山あるんだしよ」
「そうだ、この世界に住む人間共を一掃し、我等ゴルゴムの新帝国を築く事こそ我等の目的だ」
「ならば急ぐぞ。そろそろ我等が主の方も片が着いた頃だろうしな」
騎士達はすぐさまシャドームーンと仮面ライダーブラックの元へと向った。海へと飛び込んでいったはやてとなのはの事など眼中にも触れず。
***
冷たい海水が肌に突き刺さる。絡みついたクラールヴィントの糸が重くどんどん海底へと沈んでいく。
なのはも、はやても、必死にその糸から逃れようと体をもがかせるが全く糸は切れない。やがて、日の光の届かない深さにまで沈みだした。
眼の前に居たはやての
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