第61話 帰って来たウルトラマン
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鉄也君! 退くんだ」
続けざまにゲッタードラゴンが掛かった。腕に取り付けられた回転する刃スピンカッターが怪獣に向かい叩きつけられる。
しかし、そのスピンカッターでも怪獣の体に傷を付けるには至らない。
「クソッ、外見に似合わず堅い体だ!」
目の前に居る怪獣の外見は言って見ればそれこそゴム鞠の様な体をしている。体のほぼ九割が球体であり、其処に手足と顔がついているような姿をしている。
そんな姿だと言うのに目の前に居る怪獣は堅い体をしているのだ。恐らく接近戦では分が悪いだろう。
「だったらビーム兵器で戦えば……」
「駄目だ、守護騎士達との戦いのダメージがまだ残っていやがる。武器の使用は出来ない!」
隼人が計器を見ながら言った。どうやら以前グレンダイザーとの戦いのダメージがまだ響いていたのだろう。武器の使用が二機とも出来ない状況であった。
今この状況では正しく絶望的な状況でもあった。
***
その頃、町の方では同時に出撃した風見と結城、そしてフェイトとアルフの四人が付近の人々の避難誘導を行っていた。
「こっちだ! 早くこっちに逃げろ!」
「急げ! グレートとゲッターが足止めしている間に少しでも遠くへ逃げるんだ!」
必死に手招きしながら風見と結城の二人が叫ぶ。その横では同様にフェイトとアルフの二人もまた同じように避難誘導を行っている。
ふと、フェイトは視線を海に向けた。其処には巨大な怪獣を相手に苦戦を強いられているグレートとゲッターが居た。
先の守護騎士達との戦いのダメージのせいで武器の使用が出来なくなっていたのだ。
そんな時にこの怪獣との戦いである。正直言ってかなり分が悪い。
フェイトは、ふと自分が行けば、と思ったのだが、駄目であった。あの時、なのはを切り裂いた時の事でフェイトは分かっていた。
以前のバルディッシュなら僅差で刃を止める事が出来た。だが、それが出来なかった。
フェイトは、今のバルディッシュ・アサルトのパワーに振り回されている状態なのだ。
桁外れのパワーアップを果たした代償がこれだったのだ。
そして、その為に自分はなのはを傷つけてしまった。大切な親友である筈の彼女を傷つけてしまったのだ。
自分を不幸と絶望の淵から助けてくれた親友を自分の手で傷つけてしまったのだ。
そんな自責の念がフェイトの足を止めていた。今自分が出て行ってもあの怪獣には勝てない。
そう思ってしまっていたのだ。
「何を恐れているんだ!」
「え?」
後ろから声がした。振り返ってみれば、其処には一人の青年が居た。見覚えのない制服とヘルメットを被った青年であった。その顔は何処か日本と外国の顔が混ざったような顔立ちをしていたのだ
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