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スーパーヒーロー戦記
第61話 帰って来たウルトラマン
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れなのだと言う事を。
 そして、その嵐は間も無く、突然訪れたのだ。




     ***




 それは、けたたましいアラートと共にもたらされた。ブリッジに集まってみると、モニター一杯に映っているのは港町を襲撃する巨大な怪獣の姿であった。

「あれが怪獣か」

 初めてその姿を見た鉄也がマジマジと感想を述べた。

「呑気な事言ってる場合じゃありませんよ鉄也さん! あのままじゃ町が破壊されてしまいますよ!」
「その通りです。私達アースラ隊はこの非常事態を見過ごす事は出来ません。直ちに出動して下さい!」

 リンディが指令を下す。現状で怪獣に対処出来るのは自分達しかいない。もう、この地球にかつて怪獣と戦ってきた光の巨人は居ないのだ。

「グレートマジンガーとゲッターロボGは怪獣の対処を、フェイトちゃんとクロノ、アルフと風見さん達は付近の避難誘導をお願いします」

 皆が頷き、出動に急いだ。正直、フェイトはリンディの采配に少し不満があった。
 自分も出来れば怪獣の迎撃に当たりたかったのだ。だが、フェイトでも分かっていた。
 今の自分に怪獣を倒す力はない事を。なのはの様に一撃で怪獣を葬れる力が今の自分には備わっていないのだ。
 つくづくそれがフェイトは歯痒かった。今の自分ではなのはの代わりにもならない。このまま彼女に頼りきっていて本当に良いのだろうか?

「何してるんだフェイト。急げ!」
「は、はい!」

 いつの間にか立ち止まっていたようだ。隣で風見の怒号が聞こえてハッと意識が戻った。
 今は立ち止まってる暇などない。自分が代わりに戦わねばならないのだ。
 でなければ、なのはの故郷は死の星となってしまう。




     ***




 港町にたどり着いた一同が目の当たりにしたのは壮絶な光景であった。紅蓮の炎に包まれる町、そしてその中を闊歩する一体の怪獣の姿があった。全身球状で体に蛸の吸盤に似た物が張り付いた怪獣であった。

「ふん、宇宙怪獣の次はゴム鞠怪獣か? いい加減怪獣相手にも飽き飽きしてきたぜ」
「油断するなよ鉄也君。怪獣の強さは桁違いだ」
「肝に銘じておくさ」

 竜馬の言葉をそう返す鉄也。彼とて怪獣の強さは知っている。以前マジンガーZが戦闘していたデータを元に怪獣との戦闘訓練を行ってきていたのだ。それ故に彼も怪獣の強さを知っている。
 だが、それでも怪獣が戦っていたのはグレートマジンガーよりも性能の劣るマジンガーZ。ならばグレートでなら問題はない筈。そんな思いが鉄也の中にはあった。

「まずは俺が行くぞ!」

 開始とばかりにグレートが怪獣に向かい拳を放った。しかし、怪獣の体は思っていたよりも堅くグレートの拳を全く遠さない。


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