第61話 帰って来たウルトラマン
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「黒い、仮面ライダー!?」
フェイトは風見と結城からその言葉を聞き驚いた。
「あぁ、全身黒い甲殻の様な物で覆われていて、赤い目をしていた。そしてあの顔は間違いなく俺達と同じ仮面ライダーだった」
「間違いありません! あの時私を助けてくれた仮面ライダーです!」
「だが、その仮面ライダーはあの守護騎士達と行動を共にしていた。少なからず敵と見て間違いないだろう」
冷徹なまでの風見の言い分であった。彼は一切妥協はしない。敵であれば敵、そして、敵ならば倒す。それが今の風見志郎の考えなのだ。
「それで、次にその黒い仮面ライダーと出会ったら、どうするんですか?」
「当然倒す。奴が敵である以上戦う他に道はないんだからな」
「俺も同意見だ」
隣に居た結城丈二も同意見だと述べた。彼の右手は黒い皮の手袋で覆われている。その手袋が、彼の辛い過去を覆い隠してくれるからだ。
「どんな経緯があろうと、敵として前に出た以上は倒す。でなければ俺達が逆に倒されてしまうんだ」
「そうかも知れませんけど……でも、その人達と話し合うと言う事は出来ませんか?」
「無理だな」
あっさり一蹴されてしまった。以外と言えば以外だった。これがもし本郷や一文字であれば多少は拾ってくれただろう。だが、風見にそんな余裕などない。彼には今目の前の事で頭が一杯なのだ。
「フェイト、お前の気持ちも分からなくもない。だが、俺達が戦わなくちゃならない相手はあの守護騎士だけじゃないって事を忘れてないか?」
「わ、忘れてません! 忘れてませんけど……」
「お前も嘱託魔導師となったからには、その甘さは捨てろ! 敵はお前のその甘さを付け狙って来るぞ」
「特に奴等【デストロン】はな」
結城が念を押してそう言った。二人は言ってしまえばデストロンの被害者なのだ。
風見は家族を殺され、結城は同僚後輩を皆殺しにされた。
二人共激しいデストロンへの復讐心に燃えているのだ。あの時こそ一時復讐を忘れてはくれたが、今尚二人の中には復讐の炎が燃え上がっているのは間違いないのだ。
「奴等はほんの少しの心の隙にさえ容赦なく入り込んでくる。心を強く持っていなければ、奴等はお前を八つ裂きにするぞ」
「こ、怖い事言わないで下さいよ」
思わず身震いしだすフェイト。其処は年相応なようだ。だが、決して風見とて冗談でも脅しでもそう言った訳ではない。現実論でそう述べたのだ。
デストロンは女子供とて容赦せずに殺す。現に彼の家族もそうされたのだ。
***
ジュエルシード事件から半年。その間、多少の事件はあったが、それでも穏やかな時は過ぎていた。
だが、誰もが感じていた。その静けさが、嵐の前触
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