第六話
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て押さえつける。そういえば喜美って怖い話が苦手だったな。
「すまない浅間。話を続けてくれ」
「あっ、はい。……皆、『末世』はご存知ですよね?」
末世。
それはこの世の終わり。聖譜の歴史記述が途切れる年のことをいう。
この世界は過去の地球の歴史をやり直しており、聖譜とはその地球の歴史が記された言うなれば「歴史の攻略本」みたいなものだ。聖譜の歴史記述が途切れる年には、歴史に記されない未知の災害が世界を襲うと言われている。
「……末世は近い未来に起こると言われているで御座るが、その末世がどうしたので御座るか?」
点蔵の言葉に浅間は一つ頷くと話を続ける。
「これは知っている人は少ないと思いますが、末世はこれが初めてではありません。過去にも一度末世が起こっていて、この世界は大きな災害に襲われているんです。一体どのような災害があったのかは記録にありませんが、一つだけ奇妙な言い伝えがあるんです」
ここで浅間は一旦言葉を切り、気がつけばここにいる全員が無言で浅間の話を聞いていた。
「過去に末世が起こった時、世界中の人達がある『声』を聞いたそうなんです。『声』は若い女性の声音で『裏切者め……』と『主は必ず取り戻す……』の二つの言葉を延々と……まるで呪いのように繰り返していたそうです……。もし末世がこの『声』の主の仕業だったとしたら、言葉にある裏切者と主って一体どんな人なんでしょ……!?」
バタン!
浅間の話の終盤でとうとう限界を迎えた喜美が気絶して倒れてしまった。
「……え? き、喜美ちゃんったら気絶しちゃったんですか? も、もう、仕方がないですねー?」
口では文句を言いながら喜美の看病をするキャスター。だが気のせいか? なんかキャスターの顔色も若干青く見えるのだが?
キャスターって、この手の怪談苦手だったっけ?
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