暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
強者と弱者
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そんなことをすれば、ニューロンが焼き切れてしまいます。
実際、これまでも偶然システムの扉を開けた不幸なプレイヤーが死んでしまった例も少なくありません。
ですが少年、BBシステムが生み出す脳への負担が軽い《適格者》であるあなたならば、その呪いを打ち砕き、真理に迫れると主は本気で考えています。
どのみち、あなたと彼女は引き合わされる運命だったんですよ。
《扉》と《鍵》、そしてあなたはその二つを結びつける唯一の《道》。
どうか許してください。私は、大きな過ちを犯してしまいました。
あなたと彼女は引き合わされるべきではなかったのです。彼女が予定外に速く目覚めたのは、主にとっても完全なイレギュラーでした。きっと彼女にも、少なからずの防衛本能があったんだと思います。
彼女のプログラムには、コンタクトした相手の感情を少なからず誘導するプログラムが組み込まれています。これも、恐らくはあなたの兄が仕掛けた自衛……いや生存のためのプログラムでしょう。
あなたももう気付いているのでしょう?その胸の疼きを。その心の渇きを。
その子は魔女。ヒトを惑わし、誑かす、純白の魔女。
その子に関わった者は必ず不幸になります。今なら少年、あなたは引き返せます。あなたはあの男のようにはならないで下さい。
あの、巨大な槌を持った男のようには。
深く頭を下げるカグラの前で、レンは固まっていた。
カグラが話したカーディナルの真の目的のほうではない。いやソッチのほうも大事なのだが、もっと近いほう。
巨大な槌を持った男。
それは───
その武器は───
「エンケイおじさん………」
「おや、知り合いでしたか」
涼しげな視線を向けてくるカグラの言葉を無視し、レンは身を乗り出して訊ねる。
「エンケイおじさんは今どこにいるっ!」
「なぜそんなことを───」
「いいから答えろッ!!」
普段の自分からは、とても想像できない乱暴な口調でレンは叫ぶ。
心のどこかで、その答えは解かっていたというのに。それを認めたくないがために。
「……今の会話で想像がつくでしょう。あの方は死にました。その子を庇って、ね」
「……………………ッ!!」
後頭部を、金属パイプで殴られたような衝撃。認めたくなかった言葉。
アインクラッドのどこかで、いつもみたいに格好良くモーニングコーヒーを傾けていると信じていたのに。
カグラは、そんなレンをどこか慈しみの光を瞳に宿らせながら言った。
「あの方は立派でした。心意を帯びた私の刃を、何の工夫もないソードスキルで十分間も戦闘を続けたのですよ。その子を守るために」
「………おじさんを殺しタの
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