暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
強者と弱者
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っと閉じて一言。
「長くなりますよ」
「構わない。話してよ」
「………解かりました。お話しましょう、全てを」
そして、カグラはもう一度湯呑みを傾け、口を開いた。
───ヒトに備わる欲の中で、一番強いのは何だと思いますか?
カグラの話は、そんな言葉から始まった。
金銭欲?物欲?色欲?出世欲?
全て違います。それは───
知識欲です。
全ての生物の中で人類だけが神から与えられた、絶対の娯楽。考える、
と言うことは実は最大の娯楽なんですよ。
そして我が主、正式名称《ZAX―333》は自らを進化させるよう、あるインターフェースプログラムが組み込まれていたんです。
それが、異常な知識欲です。
異常すぎて、あなたの兄の研究所でも調整が予定されていたんですがね。
その前に、このSAOのGM用自立プログラムのスカウトが来たのですよ。
最初は、完全には自我に目覚めていなかった主でしたが、この世界に来てから、ゆっくりとですが自我が目覚めていったのです。
そしてそのうち、主はそのインターフェースに従い、ある思想を持つようになるのです。それは……
世界の全てを知ることです。
宙に流れる量子の一挙一動から、飛ぶ光の動きまで。宇宙の端から端までの全てを、我が主は心の底から知りたい、と思ったのです。
おや、何ですかその顔は。信じられない、と言う顔ですね。
まあ、仕方のないことかもしれませんね。こんなことを考えるものは、確かにいないでしょう。
ですが、そんなことを主は考えたのです。いえ、考えた、と言う次元ではないですね。
なぜなら我が主は、夢物語のようなその思想を現実のものにしようとしたのですから。
ですが、当然ながらそこで主は止まってしまいました。その方法が解からないからです。どうやってそんなことをするのか、見当もつかなかったからです。
ですが、神は我が主に味方をしたんです。
小日向相馬が生み出した、神の力にも等しいブレインバーストシステム。それがネックなのです。
BBシステムは本来、脳を加速することによって得た膨大な計算能力を駆使し、周囲の空間を強制的に歪めさせる、という一般プレイヤーにGMの権利の一端を扱えるようにする、と言うものです。
しかし、これは裏を返せば皮肉なことに、神を打ち滅ぼさんとする力が、結果的に神に味方をしたということになったのですよ。
あの膨大な計算力、それは我が主の目的を成し遂げるための必要不可欠なツールとなったのです。
あの計算能力を使えば、まさに我が主の求めていた宇宙の真理が解かるのですよ。
……ええ、確かにそうです。たかだか人一人の脳細胞で
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