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ファイアーエムブレム〜ユグドラル動乱時代に転生〜
第二十七話
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が白でしたら私もあの世行きでした…そして、今回の随員のうちあの四名には目をかけてやってはくださいませんか?」

「仰せの通りにいたしましょう」






 レンスターに帰りついた。
アルスターへの使節が出せなかったことは書状などのやりとりを行い了承してもらっていた。
父上も既に帰国しており、兄上は国王代行の重責から解放されつかの間の安らぎを得ているのではないだろうか。
俺は任務の完遂が出来なかったことを詫びたが許され、生還できた随員達と共に恩賞を受けた。
それは今回の犠牲になった随員の遺族らに等分して見舞金として配り、彼らの冥福を祈った。

ねえさまとセルフィナさんには不在の間の鉢植えの世話を頼んでおいたが、どうやら枯らさずにいてくれたようでありがたい。




「…という次第で、コノートのレイドリック卿には心を砕いて当たらねばならぬとの殿下と、そしてわたしからの言上であります、陛下」

「うむ、獅子身中の虫とでも呼べばよい者か。引き続き動向を探り、充分な材料揃わばカール王のお力となり、必要な措置を執らねばなるまい」

「父上、我が国がそれを表だって行っては良からぬ感情をコノートの民、ひいては他の二国に抱かすやもしれませぬ。先だってより我が国はコノートより多額の補償金を得、四国会議の票も預かっていたこともあり一口では言い表せない感情を抱かせております。ゆえに、こちらが正しきことをしていても彼らにとっては自国の有力者を他国の者が罰しては主権の侵害、やがては併呑をも企むと恐怖心をも抱かせかねません、そしてコノートの次は自分の番だと他の二国も…」

「ならば、アルスターとマンスターに渡りをつけ、三国共同で該たるかの」

「御意」

「……それにしても」

「陛下、いかがなさいました?」

「うむ、こんな時にな」
父上は一通の書状を示した。

「グランベルよりミュアハも士官学校で学べとな…」

「むむ、そういえば殿下も、もう1年余りで十五となられますか」

「ええっ? 第二王子のわたしまで?」

「お前に限らんぞ、レンスターはグランベル公爵家と同格とみなすから貴族でも騎士の子でも、試験に受かれば平民でも学ぶ機会を与えてやるとな。クルト王太子からのありがたいおぼしめしじゃ」
父上は不機嫌にそう吐き捨てると椅子の肘かけに身をもたげた。

「良いではありませんか陛下、殿下がより見聞を広められれば恐れるものなど何もありますまい」

「我が国ではまともな士官も育成できんと言われているようなものだぞ!」

「父上、今は耐えましょう。10年、20年先には逆にグランベルから我が国に留学生が訪れるような、そんな国を築きましょう」

「…ふん。せっかくトラキアから戻ってきたばかりと
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