暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
最終話『君とともに』
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い行為だからだ。
 無駄に海に出るという選択肢はさすがにハントも嫌だ、となると残っている選択肢は必然的に一つ。

「ここでのんびりしようかなって考えてる……8年も家をほったらかしにしてたわけだし」

 ハントにとってはしこりは残るものの名案だった。だが――

「――は?」

 ベルメールが怪訝な顔で、実に不思議そうな顔をした。

「え、あんたナミのこと好きなんじゃないの?」
「……あのね、いきなりぶっちゃけた言い回しやめてくれない?」

 酒のせいか、それともベルメールに心をずばりと言い当てられたせいか……まぁ明らかに後者だが。ともかくハントの顔が真っ赤に染まる。しかしベルメールはそれをフンと鼻で笑い飛ばして言う。

「あんた、アーロンをぶっ飛ばして随分成長したと思ってたら……やれやれ、子供のままじゃないの」
「……そ、そんなことないし!」

 慌てて否定する息子にベルメールは肩をすくめて苦笑。

「やれやれ、こりゃあの子も苦労するわ」
「あの子?」
「こっちの話……それで、ナミはいいの?」
「いいのって言われてもナミにはもう好きな人いるみたいだし」

 人差し指をつき合わせて肩を落とすそのサマは本当に男か疑わしくなる。ベルメールもさすがに頬を引きつらせるが、それを息子に言うのも酷と考えてそこはスルーして、ハントの言った言葉に疑問をはさんだ。

「ナミに好きな人?」
「うん、最初に顔を合わせた時、美人になったなっていったら『私には先客がいるから早く消えろ』的なことを言われた」

 ――いやぁ、あの時のナミはものすごい剣幕だった。

 化け物じみたアーロンを吹き飛ばしておきながら本気でナミに恐ろしさを覚えている。おそろしいまでのギャップだ。さすがのベルメールもどんな育ち方をしてきたんだろうかと本気で心配になってきている。

「その時のナミはもしかしてあんたのことを――」
「――確かどっかのよそ者って思ってたんじゃないかな?」
「ち、ちなみにあんた8年前アーロンに撃たれる寸前にナミになんていったか覚えてる?」
「……覚えてるよ! 一応人生初めての告白だし、忘れられなくて困ってくらいだ」

 憮然と言うハントにベルメールは本気で呆れ顔になった。

 ――なんで自分がその『先客』だっていう可能性を考えないの、このぼんくら息子は。

 内心で毒づき、ベルメールはどうにか体裁を取り戻してまた問いを重ねる。

「ま、まあそれは今はいいわ。それであんた本当に島でのんびりしようとか考えてるの?」
「え、うん」
「ナミの後を追いかけたりとか考えないの?」

 そのベルメールの言葉にハントは驚きの顔に。どうやらその選択肢は本気で脳内になかったようだ。それを考えて、実にハントは満更で
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