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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜絶望と悲哀の小夜曲〜
マイの正体
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大に引き上げられるんだよ。要するに、思考を無限大に上げられるの。そしてマイはその発動キーと言ったところかも。BBSCP(ブレインバーストシステム・コントロールプログラム)試作一号、コードネーム《Mai》。それがマイの本当の名前なんだよ」

「…………………………………」

ここまできて、さすがにレンの脳の処理能力が白煙を上げ始めているのだが、それはおくびにも出さずにレンは事務的に淡々と語っているマイに問いかける。

「そこまではどうにか解かったよ。でもマイちゃん、でもそんな魔法みたいなシステムに、何で発動キーがいるの?そんな凄いシステム、普通にパブリック公開したほうが、攻略はずっと速く、死者も出さずにすんだのに」

今だったら、ブレイン・バースト・システムの凄さがはっきりと理解できる。

時間を停止ではないが、ゆっくりさせると言うことは、逆に言えば状況判断能力が飛躍的に向上すると言うことだ。何せその状況状況、モンスターの一挙一動を見、次の動きを考えるという、本来の戦いの中ではコンマ一秒以下しか与えられないその時間を文字通りほぼ無限に与えられるのだ。

そんなトンデモ能力を得られたのなら、これまでのボス戦での死者は一桁……いや、ひょっとするとゼロになったかもしれないのに。

レンのその思考が解かっている訳はないのだが、マイは苦笑した。

「簡単だよ、レン。強い力には、必ずそれ相応のリスクがあるからなんだよ。言うなれば……諸刃の剣ってとこかも」

「諸刃の剣………」

不穏なその単語を、レンは口内で噛み締める。

「本来、人のフラクトライトに干渉するって言う事は、必ずそれなりの機械が必要なんだよ。それを小日向相馬はナーヴギアでやってのけたの。たぶん、ナーヴギアの中に極小のフラクトライトを読み取る追加デバイスを仕込んだんだと思う。だけど、いかな《鬼才》でも不可能なことはあったんだよ」

「不可能なこと………?」

あのタイムマシンでも涼しい顔して作ってしまいそうな兄にもできないことがあったのか。そっちのほうがレンには驚きだった。

「脳細胞と通信するナーヴギアと、フラクトライトに干渉するBBシステムは相容れないものだったんだよ。結果的に、BBシステムには致命的なラグが生まれてしまったんだよ」

「ラグ?」

レンの言葉に、マイは頷く。

「FLAってシステムは、フラクトライトのみにアクセスするから脳細胞へのダメージは絶対にありえなかったの。だけど、ナーヴギアっていう本来相容れないもの同士が合体しちゃったから、本来起こらない、使用者への脳細胞ダメージっていうものが発生した」

「そうか!あの時、突然僕の頭が痛み出したのは………」

レンの言葉に、マイは悲痛そうな表情をする。今にも泣き出しそ
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