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夏の終わりの忘れ物
過去は変わった

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部活が終わり、家に帰った俺は、この能力でいろんなことをしたいと思った。過去に戻って、自分の不幸をすべてなかったことにするんだと考えていた
そこで、俺はある考えが浮かんだ。人の死も、変えられるんじゃないかと
今から四年前、俺が10歳だったころ、当時好きだった女の子が交通事故で死んだ。俺は、それが今でも心残りだった。
ならば、と俺はこう願った
「4年前の彼女が死んだ日に戻りたい!」

すると、目の前が真っ白になり、景色が戻ったころには、俺は10歳の姿で、彼女の隣に立っていた
やけに日差しが強く、蝉の声が聞こえ、アスファルトからも熱が伝わってくる真夏日
あぁ、4年前確かにこうだったな
信号が変わり、青になる。彼女がわたり始めようとしたとき、俺は彼女の手を握った
「何?」
そう聞く彼女に俺はただ「待って」といった。その時、トラックが彼女をかすめるように通り過ぎ、そのあと電柱にぶつかった
ドシャァンッ!!!
大きな音が響き、ガラスが飛び散る。流れる血は、運転手の血だろうか
「あ・・・・・あぁ・・・・・・」
彼女は口を手で押さえ、驚きを隠せないようだった。俺はただ、大丈夫、大丈夫と声をかけた
俺の後悔は今、一つ、消えた

その時、目の前が真っ白になり、声が聞こえた
「どんな過去も、やり直せないよ。過去は過去で、変えられないんだ」

そうして、また景色が戻り、彼女が生きている過去に戻ってきた
「そんなはずない、俺は今確かに、幸福をつかみ取った」
俺はそうつぶやき、彼女がいる暮らしを楽しむことにした
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