第八十四話
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いてきたよ」
「昼ごはんもまだだったしね…」
「帰ったら有り合わせで簡単に作っちゃいましょう」
なのは、フェイト、ユカリがそれぞれ言うと、結界を解き、皆で帰路についた。
その日の夜。事後処理に追われながらもやって来た甘粕は過労でやせ細っていたのが印象的だ。
「金星からのガスが幻覚を見せていたと言う事になりまして、…世間ではある種のお祭り騒ぎですな」
と甘粕は苦笑いしながら言った。規模と場所が大きすぎて完全な隠蔽は不可能だったのだ。
アテナからは「本当に騒動に事欠かない奴らよな…」等と若干呆れられたが、返す言葉はなく。それでもクリスマスの夜は賑やかに過ぎていった。
クリスマスから数日。
時間はまだ昼を少し回った頃。
スカイツリーが新たな観光名所になっている今の時代に、人々は東京タワーの下へと集まっていた。
何故か?
それは東京タワーの特別望台より上が一瞬で消失した事件があったからである。
これは目撃者も多い事からニュースやネットで騒ぎ立てられている。この現象は、早くも二十一世紀の七不思議にランクインしてしまうのではなかろうか。
このニュースを見たアオ達の反応は、面倒、関わりたくない、と言うものだった事は仕方の無い事だろう。
数日前にも神様関連の事件に巻き込まれてしまったのだ。もう少しインターバルが欲しい所である。
来訪した甘粕は苦笑いしながらしばらく来れない事を伝え、アテナにほんのかすり程度でも情報は無いかと平伏し、問いかける甘粕は、上司の命令だろうが、少し可哀相ではあった。
東京タワーは千葉県、銚子にある犬吠埼から巨大な弓矢で射抜かれたらしい。
「あれは神の影の仕業よな」
「影?」
気まぐれに答えたアテナに問いかけたアオ。
「神格のその一部を呼び寄せて使役している奴が居るのだろうよ。この感じは妾の同胞の気配がするな」
と、アテナが煎餅をかじりながら答えた。
「弓の英雄の属性を持つ者はたくさん居るな。アポロン、ペルセウス、ヘラクレス。数えたら限が無い…が、ふむ…おそらくオデゥッセウスであろうよ」
智慧の女神としての直感でそう答えたアテナ。
「オデゥッセウスですか…」
と、ビックネームの登場に甘粕も困惑している。
「だが、問題はそこでは無いだろうよ。それらを操っている者が居ると言う事だ」
「そうですね…」
相槌を打つと甘粕は深々と頭を下げて感謝の意をアテナに示し、現場に赴くためにユカリの家を辞した。
この後草薙護堂にも連絡を入れるらしい。どうやら草薙護堂にこの事件の解決を依頼するのが正史編纂委員会の考えのようだ。
まぁ、アオ達にしても自分が出
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