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魔法少女リリカルなのは~箱舟の獣~
第一話 脅迫
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ルの状態を確認した後、彼女の肩に手を置いてそのまま店の外へと出て行くよう足を運ぶ。はやてはそんな二人の後を追い、行き着いたのは近場の公園だった。足早にシャマルをベンチに座らせると、男は『飲み物を』と言って、近くの自販機へと歩いていった。
はやては項垂れたままのシャマルへと寄り添い、彼と同じようにシャマルの頬に手を沿え、その表情を伺う。

「シャマル、大丈夫か? どっか具合悪いんか?」

「…………い、いえ……もう、大丈夫、です、はやてちゃん…………」

「無理したらあかんで? シャマルが倒れたらわたしも皆も困るし、悲しむ。だから、なんかあったらすぐにわたしにも言うてな? 絶対やで?」

「…………はい」

「お取り込み中失礼。コーヒーとミルクティーと緑茶、どれがお好みかな?」

ホット缶を手にした男は、無表情のまま三本の缶を進めてきた。そのままシャマルの隣へと腰を下ろし、彼女との間に缶を置く。

「なんや、なにからなにまでホンマにありがとうございます。なんかお礼せなあかんねんやろうけど……」

「気にしなくていい。どうせ暇な身だ、このくらいは付き合える」

「あ、そういえば海外から来た言うてましたもんね。お仕事かなんかですか?」

「生物学者、主に遺伝子工学だ。君のその脚を直せるかもしれない『IPS細胞』や『クローン技術』、他には『義手義足』といった物を製造したりもする、人に貢献する職だ。とはいってもほとんど机に齧りつきで、実際はフリーターのようなものだが」

「かっこええなぁ……おじさんみたいな人が偉い人やったら、きっと皆幸せになるんやろなぁ」

「…………そうでもないさ。それと、おじさんはやめてくれないか。ちょっと悲しくなる」

他愛ない談笑。それははやてにしては珍しい、大人の男だった。
身内にザフィーラと言う男がいるが、アレはどちらかと言えば雄が正しい。それに、ザフィーラはこれほどお喋りではない。そんな偶然からか、今日のはやては割りと饒舌だった。
しかし、その裏。彼の隣に腰を下ろすシャマルとは、これまた違った会話が繰り広げられていた。

『よく店の中で動かずにいたな。その選択は正しい、迂闊に動けば俺はお前ごとその少女を殺していたぞ』

『…………一体、どういうつもりですか』

『何の事だ』

『貴方が先日、ヴィータちゃんとシグナムを襲ったというのは知っています。そんな人が、はやてちゃんや私に何の用? もしかして、管理局の人ですか?』

『あんな“瑣末(さまつ)”な組織と俺を一緒にするな。それに、ヴィータやシグナムから既に話は聞いているだろう。俺が用があるのは、お前達ではない…………お前達の“闇の書”だ』

やはり、ヴィータの話した通りだった。
この男は、守護騎士や管理局
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