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ファイアーエムブレム〜ユグドラル動乱時代に転生〜
第二十六話
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セルフィナさんが少し顔を赤らめてその言葉を口にすると、ねえさまはセルフィナさんをぎゅっと抱きしめた。
原作と同じように二人が仲良くなってもらえそうで良かった。





 そうして、所定の日が訪れたので俺は諸国歴訪の旅に出た。
終わらせて帰るころには父上もお戻りであろう。
レンスターの国境を越えコノートの国境へと入った、関所のような場所で手続きを済ませ俺たちはコノート王国の領土に深く入っていった。
ここで直接戦があった訳でもないのに放棄された田畑に時として目を奪われる。
税が重すぎるがために希望を失い逃げ出した農民達の抗議の声そのものだ…。

幾日かの旅を続けコノートの王都に入った。
王城へと続く沿道には歓迎の意を知らすような垂れ幕や住民の姿があったが、その目は怨嗟や諦観、時には怒りを映していた。
誰かに尋ねたとしてもそれは逆恨みに過ぎないと言われるだろうけれど、コノートの住民はここ数年に渡ってレンスターへの莫大な補償金を支払い続け、そのしわ寄せは彼ら一般の市民に向かっているわけだから、俺達レンスターの使節へ風当たりも強くなることだろう…。

王宮へ到着し、出迎えのコノート王国の重臣と挨拶を交わし王宮の奥へと案内された。
護衛の随員らは別の建物へと導かれ、そこで旅の埃を落とすのだろう。
コノートのカール王とはルテキア城での一別以来で少し懐かしい。
あのときよりも多少は元気を取り戻してはいるようだが、時折レイドリックの視線を気にしている。
まずは挨拶だけで、本番はこのあとだな。
晩餐会とかパーティとか呼ばれる奴だ、正直苦手なんだが…。

正直、ダンスとかは苦手なのでそういうのはグレイドなんかに代わりに引き受けてもらったりしていたのだが、カール王の后にどうしてもと請われて引き受けざるを得なかった。
俺が苦手そうにしているのでリードしてくれました、ありがとうございます。

「殿下は、おいくつになりまして?」

「はい、十三の齢を重ねました。なれど、いまだ乳飲み子と変わらぬ手のかかりようと父や兄を悩ませております」

「まぁ、とんでもない。しっかりと落ち着いた佇まいに妾は感心しておりますの。さすがは盟主レンスター王の若君と」
ダンスの合間にこんな会話を交わしていた。
向こうも話しかけてはこなかったのでレイドリックとは関わることは無かった。
翌朝の朝食を共にしたいと国王夫妻が申し出てきた。
断る理由もなければそんなことも出来るわけがないので応じると、夫妻の小さな小さな娘を伴いやってきた。
あと10年もすればお互いお似合いでしょうからと、いきなり婚約を迫られて閉口した。

「国と国同士のこととなるのでカルフ王の裁可が必要であり、わたし個人の意思ではご返答いたしかねます。また、わたしの意思が許され
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