第56話 蘇れ、われらのゲッターロボ
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きまでグロッキー状態だった二人が笑い出す。そして幼いフェイトの頭に竜馬はそっと頭を乗せた。
「むぅ、子ども扱いしないで下さいよぉ! 私もう子供じゃありませんよぉ!」
「ふっ、子供ってなぁ皆背伸びしたがるもんさ。俺達から見たらお前はまだまだガキンチョだよ」
言いながら隼人がフェイトの額を軽く小突く。明らかに子供扱いされてる証拠だ。嘱託魔導師となったフェイトからして見れば軽く侮辱のような感じに思える。
「気を悪くしないでくれよフェイト。隼人も久しぶりに君に会えて嬉しいんだよ」
「う〜ん、それでも仕方によると思いますけどぉ」
今度はフェイトが意地悪く笑う。最近見せなかった笑みだ。何となく年相応の子供らしい仕草だった。それが本来の姿なのだろう。
「ところで博士、三人目のパイロットはまだ決まってないんですか?」
「うむ、それがまだなぁ……」
途端に渋る早乙女博士の顔に竜馬と隼人の二人は激しく落胆した。ゲッターロボとは三人乗って初めて本領を発揮出来るスーパーロボットだ。二人ではそのスペックを完全に生かしきれない。それでは折角完成したゲッターロボも宝の持ち腐れとしか言い様がない。
「リンディ艦長。管理局の局員達の中でこれに乗れる者は居ますか?」
物は試しにとリンディに尋ねてみた。それに対し、彼女はかぶりを振る。かなり焦った顔をしながら。
「無理です。あんな殺人的速度を誇るマシンに乗れる局員なんて私の知る範囲には居りませんよ」
「そうですか……」
さも残念そうな顔をする早乙女博士。さてどうした者か、であった。
「仕方ないですね。私達の方でも人員を模索しておきます」
「お願いします。ゲッターは三人揃わなければその力を発揮出来ない物ですから」
なんとも歯痒い結果となった。ゲッターロボは完成していると言うのに肝心の乗り手が居ないのだ。これでは戦列に入る事など出来る筈がない。その後、リンディは管理局内にあれに耐えられる局員を探していた。だが、恐らく居ないだろう。魔力を使って戦う事が主な局員にとってあんな殺人的加速を誇るゲットマシンを操るのは自殺と同義語でもある。
勿論、フェイトやクロノでも無理だ。幾らバリアジャケットを纏った所で気休めにしかならない。
「はぁ、どうしたら良いんだろう?」
その日、フェイトはどうも居たたまれなくなり外に出ていた。このまま研究所内に居ても意味が意味が無いと悟ったからだ。研究所近くの土手の上に腰を下ろしていた。空は快晴であり冬も近いと言うのに温かい気候のせいか心地よかった。
ふと、下の砂利道を走る集団が見えた。服装からして柔道部員である。この付近だと恐らく浅間学園の者だろう。すると、反対側から今度は手に竹刀を持った集団が走って
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