第56話 蘇れ、われらのゲッターロボ
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トの目の前に映っていたのは間違いなく鬼を思わせる姿をしたロボットであった。そのロボットが地響きを立てながら早乙女研究所を目指している。奴を研究所へ行かせる訳にはいかない。
「なんとか、ゲッターロボが来るまで食い止めないと」
決意を胸にフェイトは百鬼帝国のメカロボットに戦いを挑む。だが、その光景はメカ一角鬼のカメラアイを通じて百鬼帝国に行き届いていた。
「ふむぅ、生身の人間が空を飛ぶとはまた珍妙な」
メカ一角鬼から映し出された映像を見てグラー博士は眉を顰めた。天才的な科学力を持つグラー博士でも生身の人間が空を飛ぶ事は珍しいのだろう。
「ヒドラー元帥! あの小娘を絶対に生かして捕えるのじゃ! さすればあれの秘密も明らかになるじゃろうて」
「うむ、あの技術は是非とも欲しい。ブライ大帝。いかがでしょうか?」
ヒドラー元帥の言葉にブライ大帝は耳を傾けた。相変わらずいかつい顔をしている。
「良かろう。本来なら人間などすぐに捕えて鬼にする所だがあの娘の持っている能力は捨て難い。グラー博士よ! ゲッター線増幅装置とあの小娘の捕獲をメカ一角鬼にさせるのだ」
「百鬼ブラァァァイ!」
突如、メカ一角鬼が標的を研究所からフェイトへと変えた。太い腕を伸ばして捕まえようとしてくる。まるでヒラヒラ飛び回る蝶を捕まえようとするかの様だ。
「狙いを私に変えてきた。これなら時間を稼げる!」
フェイトにとっては願っても無い事であった。敵が研究所を狙わず自分を狙っていればその間にゲッターが出撃する。自分はそれまで逃げ回っていれば良い。幸いあの敵には遠距離系の武装はなさそうにも見える。脅威なのは反対側のハサミだ。あれに挟まれたらバリアジャケットなど意味を成さない。
その時だった。突如メカ一角鬼の角から光線が発せられてきた。
「あっ!」
全く予想外だった為フェイトは面を食らってしまった。何とかそれの直撃は避けられた。だが、避けた先に待っていたのはメカ一角鬼の手であった。完全に虚をつかれた。
内心で愚痴るフェイト。幼い体を巨大な腕が捕える。ギリギリ握りつぶさない程度の力だ。それでも人間がその手から逃れるのは出来ない。
「くっ、抜け出せない!」
完全に腕に捕まってしまった。しかもバルディッシュは掴まれた際に落としてしまい手元にない。丸腰の状態でそれから逃れる術はないのだ。
目的を達成したメカ一角鬼は今度は研究所を目指す。同時にゲッター線増幅装置を奪おうとしているのだ。
だが、その時であった。突如研究所から三機のマシンが飛び出した。赤、青、黄の三色のマシンが上空に飛び上がる。
「ま、間に合ったんだ!」
フェイトは歓喜した。其処にある物こそ待ち焦がれていた
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