第二十五話
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「半年もかからず戻るからな。みやげでも楽しみにしておくといい。と言っても出発はまだまだ先だぞ。わしが居なくなるからといってすぐに羽目を外すでないぞ」
そのあと家族で賑やかに、いつものような時間を過ごした。
翌朝、ねえさまと俺が久々に剣の稽古をつけていると父上が現れた。
いつもなら朝は馬に乗り早駆けをするのが日課のはずなのにだ。
練習用の槍を2本持ってきた父上は片方を俺に放ると、
「キュアンやゼーベイアから、お前もかなりやるようになったと聞くので、一度立ち会うてみとぅなった。エスリンどの、すまんが今朝はミュアハを借りても良いか?」
「もちろんですお義父さま、みゅぅ君、怪我してもすぐにお姉ちゃんが治してあげますからね」
ねえさまはにこっと笑うと俺と父上から少し離れた。
実は、今まで俺は父上に直接稽古をつけてもらったことがなかった。
これは……俺を一人の戦士として、そして人としても認めてくれたってことなのだろうか。
「父上!よろしくお願いします!そして、おはようございます」
「ん、忘れておった。おはよう」
「では、参ります!」
晴れた空の下、二本の槍がぶつかり合い乾いた音を響かせた。
無心に打ちあい、そして心を通わせる姿がそこにはあった。
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